※本記事は、2023年3月25日刊行の雑誌『MarkeZine』87号掲載の内容と同一です。
マーケティング・販促予算の変化
はじめに主だった回答者の属性を簡単に紹介しておきたい。マネジメント・ディレクター・マネージャークラスの合計が43.1%、リーダークラスが20.6%、一般社員が28.2%となっている。勤務先は事業会社が50.7%、コンサルティング・マーケティング支援が17.0%、広告会社が10.7%、ソリューションベンダーが10.0%、媒体社が3.7%、その他が7.8%。また、BtoCが34.4%、BtoBが65.6%である。
さて、最初に年間(2022年)の広告宣伝費を見ると、最も回答の割合が高かったのは「1,000万円未満」の30.7%だった。1億円未満の企業の合計は49.1%で、1億円以上100億円未満の合計は計15.1%、100億円以上1,000億円未満の企業は1.6%、1,000億円以上は1.5%となった。「わからない」という回答が全体で32.7%にのぼる結果も興味深い。
マーケティング・販促予算の変化については、全体として昨年に比べて「増えた」のは31.7%、「減った」のは13.7%だった。各チャネルの予算では、「自社サイト・自社ECサイト」の38.6%が最も「増えた」の割合が高く、「ソーシャルメディア(広告を除く)」が31.1%で続いた。一方、「減った」という回答が最も多かったのは「オフライン(リアル)イベント出展・運営」で19.8%と突出し、続く「ダイレクトメール(郵送メール)」が10.6%。チャネル別で2桁減はこの2つだけとなっている(図表1)。
今後3年間の予算の変化では、全体として「増える」の回答が47.9%、「減る」が7.9%と、予算増額の見通しが圧倒的に多かった。各チャネルの予算については、「増える」という回答が最も多かったのは「自社サイト・自社ECサイト」の55.0%で、「ソーシャルメディア(広告を除く)」48.7%、「広報・PR」41.1%と続いた。一方、「減る」という回答が最も多かったのは「ダイレクトメール(郵送メール)」13.7%で、続いて「オフライン(リアル)イベント出展・運営」11.2%となった。
「自社サイト・ECサイト」への投資について、回答者が所属する企業の売上規模別にクロス集計をすると、昨年比で「増えた」の回答は「100億円以上500億円未満」46.3%、「1,000億円以上」44.8%、「1億円以上10億円未満」44.3%の順で40%を超える回答が続いた。
また、今後3年間の投資の見通しは、全体で「増える」は55.0%、「減る」は2.9%で、投資意欲は高い。売上規模別に見ると「増える」の回答は「1億円以上10億円未満」が61.7%で最も高くなった。「減る」の回答が最も多かったのは「500億円以上1,000億円未満」の9.3%となっており、今後の予算を減少する企業は少ないと考えられる(図表2)。
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