インテージは、全国約6,000店舗から収集している小売店販売データ、SRI+(全国小売店パネル調査)をもとに、食品・日用雑貨など主な消費財を対象として店頭販売価格の値上げについて調査を行った。
食品の大幅な値上がりは一段落もキャノーラ油は2020年比で188%と高騰
まず、2023年に入ってからの食品の店頭価格の変化を調査。
食品は一時期ほどの大きな上がり幅はなくなった。しかし、変わらず多くの商品で本格的な値上げが始まる前の1割、2割高という高止まり状態が続いている。
中でも、キャノーラ油は2020年平均と比べて188%、サラダ油は3月に入って148%となった。その他にもマヨネーズが135%、マーガリンが119%、などと高止まりする中、大手メーカーの価格改定の影響などを受け、ケチャップが119%、ソースが117%と増加をした。
小麦粉価格の高止まりにより米食系の食卓への登場機会が増加
次に、値上げ局面での主食の動きについて調査を行った。
小麦粉関連は、昨年後半頃から価格上昇が止まり始め、2023年に入ってからも食パン・小麦粉・スパゲッティなどはほぼ横ばいが続いている。しかし、本格値上げ前と比較すると1~2割程度高いため、同社が提供するキッチンダイアリー調査によると、パン系メニューが食卓へ登場する割合は、本格値上げ前の2021、2022年と連続して落ちていた。
一方、ごはん系のメニューは2022年だけで3.8ポイント増加。キッチンダイアリー調査開始の2015年から6年連続で減り続けていたことから、一連の値上げ局面で主食の動きに変化が出てきたことがわかる。
日用雑貨にも値上げの影響 年明けから紙製品の価格も上昇
続いて日用雑貨について見ると、2023年に入り紙製品に大きな動きが出てきたことがわかる。
2022年末まで2020年と比較してもやや安かったティッシュペーパーが113%、トイレットペーパーも急伸して113%になった。生理用品も2023年の3月までの3ヵ月間で9ポイント増の115%と軒並み数字を伸ばしている。
2023年中頃から値上がりを続けてきたアルミホイルは3月には146%にまで到達し、ラッピングフィルムも2022年10月から高くなり2割高あたりを推移している。
他にも洗濯用洗剤が3月に6ポイント増えて116%になるなど、多くの日用雑貨も値上がりをしていることがわかる。
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