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撮影現場でスムーズに立ち回る秘訣 当日を迎えるまでに必要な「準備」のコツとは

フォトグラファーとの連携が深まるロケハン・打ち合わせ

 必須のタスクとして挙げた残りのふたつ「ロケハン」と「事前打ち合わせ」は、おもにフォトグラファーと連携して行いたいタスクです。撮影前に行うフォトグラファーとの連携は、資料の中で思い描いた撮影プランの具体的な実現に向けた手立てを固めていくためにも非常に重要な過程です。実際にコンセントでもフォトグラファーとの事前の連携を大切にしているメンバーは多く、具体的な連携方法としては次のようなものが挙げられました。

コンセントメンバーに聞いたフォトグラファーとの連携方法

  • 事前打ち合わせで、撮影ラフをみながら最終イメージをフォトグラファーへしっかり伝える。天候などによって撮影条件が変わる可能性もあるため、撮れ高で最低限守るラインを決めておく。
  • 自分の想定する撮影プランはありつつ、それを超えてよりよいものを共創したい。自由に考えてほしいところも伝え、どんどん提案をしてもらうようにしている。
  • わからないことは遠慮せずに聞き、こちらがやりたいことははっきりと伝える。撮影技術の知識や経験はフォトグラファーの方が豊富なので、「勉強する」というスタンスで気軽に質問や相談をする。

ロケハンのポイント

 撮影場所が決定したら、なるべく事前にロケハンしておくことを強くオススメします。ロケハンとは「ロケーションハンティング」の略で、実際に撮影する場所を事前に下見することです。

 可能であれば、当日の撮影時刻と近い時間帯にフォトグラファーと訪問して試し撮りをしてもらいましょう。なるべく撮影当日に近い条件で試し撮りをすることで、光の加減や構図内に写り込む範囲などがわかり、最終的な仕上がりをグッとイメージしやすくなります。また、野外ロケならとくに人の往来や被写体との距離感など、その場の環境を確認してはじめて「この準備も必要だ」「こういう撮影の仕方のほうがより良いかも」といった新しい気づきを得られることも多くあります。ロケハンは、撮影を成功に導くためのヒントの宝庫なのです。

 では、ロケハンでは具体的にどのようなことを確認すると良いでしょうか。ポイントを次のようにまとめました。

ロケハンで確認するポイント

  • 撮影する画角(被写体とカメラの位置、ライティングセットなどの配置)
  • 自然光のあたり具合(時間帯による角度・強さ・遮光設備)
  • 家具や小物など、その場にあるもので撮影時に使用する備品
  • 電源がとれる場所
  • 機材の搬入経路、スタッフ動線
  • 待機場所、着替え場所、トイレの場所(とくに野外ロケの場合)

 見落としがちですが、ロケハンでは撮影そのものに影響することはもちろん、準備や待機などの動きもふまえて確認しましょう。そのためにロケハン時は、撮影ラフや香盤表とも照らし合わせながら行います。

 ぜひ行っておきたいロケハンですが、状況によっては撮影場所へ事前に訪問できないこともありますよね。そのときは、撮影場所となる施設のウェブサイトなどで空間の様子を確認したり、取材先の方に写真や見取り図を送ってもらうなどして、少しでも撮影場所に関する情報を集め、フォトグラファーにも共有しておきましょう。

 また、フォトグラファーがロケハンに同行できない場合、自分のカメラやスマートフォンで試し撮りをすることがあると思います。そのとき注意しておきたいのが、とくにスマートフォンのカメラだとプロが使うカメラとは写りかたが大きく異なる場合がある点。そのためスマートフォンでの試し撮りはあくまで撮影場所の参考に留めて、その写真ありきで撮影カットの構図や画角を固めないようにしましょう。

 さて、ロケハンのコツは掴めたでしょうか。最後にロケハン時の持ちものリストをまとめました。ロケハンへ行く前の確認用として活用してください。

あると便利!ロケハンに持っていくものリスト

  • 企画書:撮影場所の管理者の方などに説明する場合に使用する
  • デザイン案:媒体に掲載する際の見え方、隣り合う写真・要素、サイズ感を確認する
  • 撮影ラフ:撮影カットのイメージ確認をする
  • 香盤表:当日の動きや時間配分を確認する
  • その場所の見取り図、周辺地図:スタッフ動線や電源の位置などをメモする
  • ノートPC:(デザイナーの場合)試し撮りした写真を実際のデザイン案にその場で反映する
  • カメラ:試し撮り用。またはフォトグラファーが同行する場合も空間の参考画像を撮る
  • テープメジャー:大道具や機材が配置できるかを確認する
  • 撮影小物:PR対象の製品など、写すことがマストなものがある場合は持参する

事前打ち合わせのポイント

 ロケハン後、フォトグラファーとそのまま解散していませんか? 撮影場所を確認したあとは、撮影に向けての追加準備や気をつける点などのすり合わせをしておくとより安心です。それが必須のタスクの最後の項目、事前の打ち合わせにあたります。

 第1回「企画編」でお伝えしたとおり、コンテンツ全体の概要や大きな方針は事前に共有しておきます。そのうえでさらに、撮影する各カットの詳細な要望を伝え、フォトグラファーからも技術面での懸念点や撮影アイディアなどを出してもらいながらすり合わせます。具体的には、おもに次のような内容を話しています。

打ち合わせで相談する内容

  • 該当カットで訴求すること:みる人に何を伝えたいか、複数ある場合は優先順位をつける
  • 想定するシチュエーション:場面の状況や時間帯、季節、人物の心情など詳細設定まで伝える
  • マスト条件・マストではない条件:必須で表現すること/必須ではないことを明確にしておく
  • 代替案:天候など、当日の状況によって予定通りの撮影ができない場合の代替案を考えておく
  • 撮影順・各カットにかける時間:当日の機材のセッティングや難易度で決定する

 打ち合わせはロケハン直後でも、後日あらためて実施しても構いません。ロケハンができない場合でも、事前の打ち合わせは必ず行いましょう。大切なのは、ロケハンでわかったことや集めた撮影場所の情報、これまでお伝えしてきた資料などを共有しながら行うこと。それにより、撮影時の動きを具体的にイメージできるため、話し合いもスムーズに進みます。

 この事前の打ち合わせはフォトグラファーに限ったことではありません。スタイリストやヘアメイクなど、ほかのパートナーも同様に、各カットで行いたいことやそのための相談を必ず事前に行うようにしています。撮影を成功させるためには、関係者間で共通理解をもち、意思疎通を徹底しておくことが不可欠だからです。

 それぞれの打ち合わせで決定したことは(あるいは決定していないことも)、撮影ラフや香盤表などの資料に記しておきます。ロケハンは撮影ラフや香盤表と照らし合わせながら行うとお伝えしましたが、その時点で資料は未完成の段階。ロケハンをとおして得た情報や生まれたアイディア、もとのプランからの変更点などを資料に反映し、撮影プランをより具体的にブラッシュアップしていきましょう。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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MarkeZine(マーケジン)
2023/08/21 08:00 https://markezine.jp/article/detail/43133

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