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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

これからのパーソナライゼーション

「美容迷子」「健康迷子」を救うため花王、キリンらが価値共創 パーソナライズを進化させる“RNA”活用

 「口コミで評価されていても自分には合わなかった」という体験は“あるある”でありながら、生活者と企業にとって実は大きな課題だ。これが科学的に解決できればマーケティングは根底から変わっていくのではないか——。花王、キリンホールディングス、アイスタイルらが名を連ね、生体情報であるRNAの活用を企業の垣根を越えて推進するRNA共創コンソーシアムは、2026年1月14日にプレスカンファレンスを実施した。新たな商品・サービスへの展開など本格的なビジネスへの実装に携わる担当者や参画企業のリーダーたちが登壇し、科学的根拠に基づいた「真のOne to Oneリコメンド」へのシフトを語った。

溢れる選択肢の中で「美容迷子」になる生活者

 現代の消費社会において、生活者はかつてないほど膨大な商品と情報に囲まれている。特に美容や健康の領域では、次々と新しい成分やトレンドが登場し、SNSを通じて多種多様な口コミが拡散されている。しかし、選択肢が増える一方で、生活者の悩みは解消されるどころか、むしろ深まっているという側面がある。自分に合うと思って購入した化粧品が期待した効果をもたらさなかったり、評価の高いサプリメントが自分の体質に合わなかったりといった「ミスマッチ」が常態化しているのだ。

 花王の代表取締役で社長執行役員の長谷部佳宏氏は、この現状を次のように指摘する。

「今の時代、商品が溢れ返っていると思います。人のニーズに対して多くの商品が並んでいて、つい自分に合わない無駄なものも買ってしまうこの生活課題を何とかしたいというのが根底にあります」

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花王株式会社 代表取締役 社長執行役員 長谷部佳宏氏

 多くの生活者が「美容迷子」や「健康迷子」となり、何を選べばよいかわからないまま消費を繰り返している。この根本的な問題を解決するために、企業は単に新しい商品を出すだけでなく、消費者が「自分にとって本当に価値あるもの」を迷うことなく選べるための、客観的かつ確かな「物差し」を提供する必要がある。こうした背景から、花王、キリンホールディングス、アイスタイルの3社を中心とした「RNA共創コンソーシアム」の取り組みが始まった。共同体が目指すのは、RNAという生体情報を活用することで、生活者一人ひとりが「自分自身を正しく知る」ことを起点とした、新しい購買体験とライフスタイルの実現だ。

変化する遺伝子「RNA」を可視化する技術の確立

 今回の取り組みの中核をなすのは、遺伝子情報の一種であるRNA(リボ核酸)だ。一般的に遺伝子といえば、一生涯変化することのないDNAを連想することが多い。しかし、DNAが「生命の設計図」であるのに対し、RNAは「今、この瞬間の体や肌の状態」を反映して変化する遺伝子である。天候や紫外線といった外部環境の変化、あるいは食事、運動、睡眠といったライフスタイルの変化に応じて、RNAは刻一刻と変動し、体内で必要なものを作り出すための指示を出しているのだという。

 花王のスキンビューティ第1研究所室長であり、RNA共創プロジェクトリーダーを担う庭野悠氏は、RNAの重要性について「RNAの変動を知ることは、肌や体の健康維持の鍵であり、非常に重要」と述べている。

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花王株式会社 スキンビューティ第1研究所 室長/RNA共創プロジェクトリーダー 庭野悠氏

 同社は、これまで採血や皮膚の切開といった外科的な手法でしか解析できなかったRNAを、より簡便に、かつ非侵襲的に取得する方法を模索してきた。その結果、2019年に見出されたのが「皮脂RNAモニタリング技術」である。これは、あぶらとりフィルムで顔の皮脂を拭い、その中に含まれる微量なRNAを抽出・解析することで、約1万種類のRNAを網羅的に把握できるという画期的な技術だ。

 この技術が生まれた背景には、主観や外観だけでは判断できない「肌の本質的な状態」を可視化できれば、生活者の商品選びを劇的に変えられるという強い仮説があった。本カンファレンスにて長谷部氏らとともに登壇したキリンホールディングスの磯崎功典氏は、RNAを「魔法の鏡」と称した。これまで見えなかった体の内部情報を科学的に示すことができれば、なんとなく選ぶのではなく、今の自分の状態に最適化された選択が可能になる。

 コンソーシアムは、このRNAという「客観的な物差し」を社会の共通基盤とすることで、美容・健康・食品といった異なる領域が連携し、生活者のセルフケアの質を根本から引き上げられると考えたのである。

 では、具体的な商品・サービスへとどのように落とし込み、ビジネスモデルを構築するのか。カンファレンスでは花王のスキンケア事業、ヘアケア事業の新たな試みが事例として示されながら、今後のマーケティングのスタンダード、真のOne to Oneの在り方が紐解かれた。

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パーソナライズドな「人気ブランド×サブスク」サービスが始動

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/01/23 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50317

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