広告・マーケティング業界の最新情報を、独自の視点で紐解き解説している「MAD MAN REPORT」。2025年に公開した記事の中から、2026年にアンテナを張るべき重要ポイントを厳選して4つ紹介します。
ポイント1:「ノンエンデミック」の市場広がりから「ユニファイドコマース」へ
日本の広告マーケティング業界では、「RMN(リテールメディア・ネットワーク)」への注目が高まっている。リテールメディアを単なる手法・広告面として捉えるのではなく、テクノロジーによる産業構造の変動として潮流を捉えるために押さえておきたいのが、「ノンエンデミック」と「ユニファイドコマース」という2つの概念である。
「ノンエンデミック」とは、「エンデミック(既存の店内や自社Webサイトなどの“売り場”)」の枠を超え、金融、保険、サービスといった「棚にない」商品まで拡大しているリテール領域を意味する。リテールメディア市場の成長の背景には、この棚の外「ノンエンデミック」の広がりがある。
ノンエンデミックの広がりを示す、象徴的な事例が「Amazonでの自動車販売」だ。Amazonは、自ら車を販売するのではなく、第三者ディーラーに「マーケットプレイス」の仕組みを提供する形で、これを実現させている。リテール領域における「セラー市場の解放」という潮流を理解するのにもよい事例なので、ぜひチェックしてほしい。
こうして広がる市場をすべて繋げる(ユニファイドさせる)ことで形成される新市場が「ユニファイドコマース」だ。セラー市場への販売解放、ノンエンデミックの拡大、ユニファイドコマースという新市場の創出――これらの繋がりを理解すると、リテール領域に起きている地殻変動が見えてくる。
リテール市場を先例としたマーケティング市場の戦いは、テクノロジー・店舗・物流を含むアセット(資産)の投下競争となりつつある。次なる成長のカギは、「AIエージェントの統合」と、自社に閉じない他社との開かれた「顧客体験(便利さ)の統合」、そしてそれを支える「強靭なエコシステム」への投資の先読みだ。
