社員証や入社式など、“カンパニー”としての工夫が凝らされた
ミートアップのメンバーは、共想いカンパニーの企画自体が始まったばかりということもあり、まずはロイヤルティが既に高いクラシエのWeb会員から選ぶことに。前述のスクリーニング条件に用いて、約50人にまで絞り込んだ。
そこから、共想いカンパニーのミートアップにお誘いし、最終的には、社内外から10名のワーキングメンバーを選出した。
次にミートアップの内容だが、期間は約2ヵ月間、メンバー全員で様々なオンラインワークを行ったという。たとえば、オリエンテーションや「入社式」2回のミートアップ(Day1とDay2)などだ。
Day1では、クラシエという企業に対する各メンバーの“想い”や、クラシエの従業員との交流の機会が設けられた。続いてDay2では、Day1とDay2の間の期間で課されたホームワークを基に、ディスカッションが行われたという。
社会問題を基点に、ビジネスの種を探る
Day2のミートアップでは具体的にどのような議論がなされたのか。単に、クラシエの魅力を語り合っただけでなく、様々なソーシャルイシューについて議論がなされた。たとえば「子どものアレルギー対策をする保護者を想う」というテーマでは、食育に関して個々のメンバーが日常で感じていることを意見し合った。そして、この食育の議論の中で、葛根湯などのクラシエの商品にも触れられつつ議論が深まる、というわけだ。
「メンバーから寄せられた意見は、最終的に、我々がこのミートアップで得たいと思っていたもの(クラシエの既存領域にとらわれない、可能性・チャンスの発見)と擦り合わせて、今後の活動方針の参考にさせていただいています」(北原氏)
最後に津田氏は、事前調査からミートアップまでの一連の取り組みから得た知見を、次のようにまとめた。
2.ファンは与えられることをただ待っているわけではない(共創意欲が旺盛)
3.対等に話すことで、一緒に考えることができる
4.クラシエに期待したいこと、期待しなくていいこともファンはわかっている
これら四つの知見を基に、今後もファンや社外パートナーとの共創を図るべく、次の施策にも既に着手しているとのこと。「それは、マーケティングにおける新しい可能性を切り開く取り組みになると感じている」と津田氏は手応えを示し、次のようにセッションを締めくくった。
「同じような悩みを抱えていらっしゃったり、取り組みをされていらっしゃったりする企業様とは、コラボレーションすることもできると思いますので、ぜひお気軽にお声がけいただければ幸いです」(津田氏)
クラシエホールディングスは2023年10月1日付で、「クラシエ株式会社」に商号変更している。