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デジマ人材育成 5つの落とし穴と回避術

時代に合わせた新たなOJT 自走できるデジマ人材を育む三つのポイント

「自走する人材」を育てる環境としての仕組み作り

 新たな育成法において、若手自らが考える時間を取ること、チームメンバーの信頼関係を構築することが重要点だと述べました。最後に三つ目として重要なのが、自走人材を生む「環境づくり」です。意識すべき点は二つあります。

1.コンディションを把握する仕組み

 シンプルですが、リモートと出社のハイブリッドな働き方の時代において、メンバーのコンディションを把握する時間を作るは非常に重要です。たとえば、朝礼時に「アイスブレーク」をするなどの簡単な取り組みでも構いません。仕事の話をせずにメンバーのコンディションを知るアイスブレークは、ミーティング開始時の5分間で良いのでぜひ取り入れて見てください。

 加えて、チーム内で冠婚葬祭があった場合も必ず声かけを行います。誕生日や結婚・出産、さらには昇格人事の祝福ネタなどを入れることでチームワークが大きく向上します。

2.欲求を満たす仕組み

 マズローの欲求階層説にもあるように、人間の欲求は「承認欲求」と「自己実現欲求」が上位になります。この欲求を埋めることが、もう一つの環境作りになります。

 私がメンバーの欲求を埋めるキーワードとして多用しているのが、「なるほど」「さすがです」の二つの言葉です。メンバーとの会話の際には「なるほど」とうなずき、傾聴の姿勢を表すことで承認欲求を満たす効果があります。

 また、「社内プレゼンで企画が上手く通った。資料まとめを手伝ってもらってありがとう」というようなメンバーを評価する言葉やお礼に「さすがですね」という言葉を添えます。こうすることでメンバーの自己実現欲求を満たすことも可能です。

 ややオーバーになるくらいでも良いので活用することで、相手が感じる喜びは倍増するはずです。

自走社員の育成で対応力が大幅に向上

 では、これまでお話をしてきたことを実施して、自走する社員が増えると、チームにはどう影響するのでしょうか?

 実際の成功事例をご紹介します。

 ある食品メーカーのマーケティング部では、消費者参加型のキャンペーンにおいてシステム障害によって参加できないというトラブルが起こりました。このトラブルに対して、自走人材の育成に注力していた同部署では、施策を委託していた広告代理店から状況報告があると同時に、各メンバーが自主的に関連部署に状況を共有。消費者と取引先が受ける不利益を最小限に抑えることに成功しました。

 以前であれば、このようなトラブルを解決するのには、他部署との複数のミーティングで時間を要していました。しかし「自走人材」の育成により、各メンバーが即座に連携を取れるようになり、社内調整を迅速に行えたため、トラブル対応方針における合意形成にかかる時間を大幅に短縮することができました

 今回の内容をまとめると、自走人材の育成には次の三点が重要です。

  1. アウトプットの時間を増やし、自ら考える場面を作る
  2. マネージャーの行動でチームの信頼関係を育む
  3. コンディションを把握し、欲求を満たす環境を作る

 新しい時代の育成法として、取り入れてみてはいかがでしょうか?

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この記事の著者

髙岡 直人(タカオカ ナオト)

株式会社Growthing 代表取締役

29年間電通グループのプロモーション専業会社である株式会社電通テック(現:電通プロモーションプラス)で統合プロモーションのプランニングから実装まで数百件の案件に従事。大手メーカーのオウンドメディア立ち上げやPDCAサイクルの構築などの経験があり、前職での実績として、デジタルマーケティング...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/08 08:30 https://markezine.jp/article/detail/44193

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