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広告にエビデンスが求められる時代へ 消費者の共感を引き出すクリエイティブの素材開発が鍵

 オンライン上で誰でも情報発信できる現代、消費者の情報リテラシーは年々高まっている。ネット広告の内容も、正しいかどうか注意深く見られるようになったといえる。こうした情報のエビデンスが求められる時代には、どのような広告が消費者の心をつかむのだろうか。実体験にもとづいたクリエイティブの素材が収集できるサービス「EVITOL(エビトル)」を提供するidentify株式会社 代表取締役 CEO 鬼山真記氏と、同サービスを活用する株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ デジタルビジネス本部 シニアプランナー 佐藤祐一氏に、話を聞いた。

広告のジブンゴト化は素材開発で決まる

──近年は、SNSや動画の発達により情報発信の場が増えました。それにともない、配信される広告も多様化する中、事業者は広告制作においてどのような課題を抱えているのでしょうか。

佐藤(ADKマーケティング・ソリューションズ) ネット広告は、プロダクト(商品)・メディア・セグメント・クリエイティブ・記事LP・LPの組み合わせで成り立っていることが多いです。これらの組み合わせの複雑化が課題の一つでしょう。

 広告の成果が得られなかった場合、プロダクトやメディア、セグメントを変更するのは難しいですよね。比較的、クリエイティブや記事LP、LPが改善しやすい項目なのですが、ここで重要な“素材開発”に目を向けられている事業者は多くありません。

 近年は、広告運用の新規参入ハードルが下がり競合が増えたことで、それらを見る消費者の目も肥えています。よく目にする素材やフォーマットを利用すると、消費者が広告であることを意識してしまい見なくなります。それを防ぐ素材開発こそ、昨今のマーケティングのキーワードです。

 当社が手掛けた中でも、商品を生産している地方の工場まで足を運んで様々なパターンの動画や写真を撮影するなど、素材開発に時間とコストをかけた広告は、月に1,000万回ほどの再生数を記録しています。自社商品・サービス向けに独自で素材開発することで、消費者が“ジブンゴト化”しやすい広告が生まれるのだと思います。

株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ デジタルビジネス本部 シニアプランナー 佐藤祐一氏
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ デジタルビジネス本部 シニアプランナー 佐藤祐一氏

鬼山(identify) たとえば、ユーザーボイスとともに掲載している利用者の顔写真が途中で切れていたり、名前がイニシャル表記になっていたりする広告は、消費者へ信頼性に欠けるイメージを与えます。一方、実際に商品を使用している人の顔や名前を公開しているなど、エビデンスがある広告は、説得力があり受け入れられやすいです。それは、SNSで浸透している動画広告にも同じことがいえます。

 SNSで配信される動画広告の制作には、「シナリオを考える」「素材を収集する」「編集する」の三つの段階があります。「シナリオを考える」では、見本となる広告がSNS上にあふれているため、いくらでも研究できます。「編集する」過程も、アプリやツールが増えたため、取り組むハードルが下がっています。

 しかし、「素材を収集する」のは非常に労力がかかる作業です。もちろん時間をかければ、SNSなじみが良く独自性のある素材収集が可能ですが、広告代理店や社内の広告担当者・マーケティング担当者は、上流のマーケティング施策の検討が本来の仕事であるため、素材収集に多くの工数を割けません。佐藤氏の発言にもあるように、素材開発に広告制作の課題が集約されているのです。

商品を体験した人を主人公にして記事内CTRが約10%改善

──素材開発の重要性に気づけていないケースはもちろん、リソースが足りず素材開発を諦めている事業者も少なくありません。どうすれば、効率と素材の質を両立できるのでしょうか。

鬼山(identify) 新鮮かつ信ぴょう性の高い素材を開発するには、それに特化したツールやサービスの積極的な活用が有効です。質の高い素材が入手できる上に、自ら用意する手間が省けるため、これまで素材開発にかけていた時間を新しいマーケティング戦略の検討や広告のPDCAを回す作業にあてられます。結果的に、PDCAを回す中で得た効果的な手法を次の素材開発に活かすなど、継続的な広告成果の向上にもつながるでしょう。

identify株式会社 代表取締役 CEO 鬼山真記氏
identify株式会社 代表取締役 CEO 鬼山真記氏

──identifyは、実際の体験にもとづいた素材を開発できるサービスを提供しています。具体的には、どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。

鬼山(identify) 当社が提供している「EVITOL」では、登録しているクリエイターに商品を3~6ヵ月間にわたって体験してもらい、実際に使用した感想や効果などを画像および動画として収集した上で納品しています。ダイエット商材であれば、毎日の体重計のメモリや1ヵ月ごとのウエストの変化を撮影した素材を、広告制作に活用できます。

EVITOLの導入イメージ
クリックすると拡大します

 また、本当に商品を体験したかを証明する「利用証明書」の発行も併せて行います。情報リテラシーが高まったことで、消費者は広告が何をもとに情報を発信しているのか気にするようになっています。こうした時代だからこそ、今後は利用証明書のような、広告のエビデンスの保存が当たり前になると考えています。エビデンスをデータとして保存することで、過去の広告を振り返る際にも役立ちます。

佐藤(ADKマーケティング・ソリューションズ) ステマ規制により各事業者がインフルエンサーマーケティングに消極的になる中、EVITOLのようにエビデンスを得た上で、マーケティング施策に活かせるサービスがあると安心できます。

左:信ぴょう性のない広告イメージ 右:EVITOLを活用した広告イメージ
左:信ぴょう性のない広告イメージ 右:EVITOLを活用した広告イメージ(クリックすると拡大します)

──実際の体験にもとづいているからこそ、説得力のある素材が集められる。そして、体験を証明するエビデンスも得られる。この2点は、消費者の広告を見る目が厳しくなる中で、大きな強みといえます。具体的には、どのような成果が出ているのでしょうか。

鬼山(identify) たとえば、育毛剤の記事LPで記事内CTRが約10%改善した事例もあります。この事例では、40代の男性クリエイター2名を選定し、3ヵ月ほど商品を使用してもらいました。育毛剤を頭皮に吹きかけるシーンの撮影や商品を使用した感想の収集を実施。撮影された動画や画像を掲載し、クリエイターを主人公にした記事LPを制作しました。

 EVITOLで収集した素材を活用する以前の記事LPでは、商品を使用している手元のみの画像しかなく、消費者へ信ぴょう性に欠けるイメージを与えてしまっていました。EVITOLの活用により、ターゲット層の男性が商品を体験している様子を動画と画像で伝えられる、ジブンゴト化しやすい広告に改善されています。

──ジブンゴト化には、広告に登場する人の属性も重要だとわかる事例ですね。EVITOLには、どのような属性のクリエイターが登録しているのでしょうか。

鬼山(identify) EVITOLには、0〜91歳までの男女がクリエイターとして登録しているので、幅広い属性の消費者へアプローチできます。さらに、identifyが以前から提供している縦型ショート動画の広告素材の収集に役立つ「DeLMO for advertiser」のクリエイターもアサイン可能です。同サービスで効果が得られた事例やデータも蓄積しており、事業者の要望に合わせたクリエイターを提案できます。

AIとの共存と人間の働き方改革

──ADKマーケティング・ソリューションズでは、実際にEVITOLを活用しています。どのようなメリットを感じていますか。

佐藤(ADKマーケティング・ソリューションズ) 効果的な広告が制作できるのはもちろん、効率的に質の高い素材が手に入るようになりました。広告制作の現場では、素材があってもクリエイティブに落とし込むのが難しく、結局一から素材を用意するケースもあります。その時間が短縮でき、業務効率化にもつながっています。

鬼山(identify) 広告業界では、働き方が長年の課題でもありました。EVITOLは、素材開発から効果的な広告を生み出すサービスですが、その先に目指すのは広告業界や社内の広告担当者・マーケティング担当者の負担軽減です。

佐藤(ADKマーケティング・ソリューションズ) 業務効率化でいえば、最近ではAI技術の進化が凄まじく、画像生成が簡単にできるようになりました。人間だと1週間に数本しか制作できないクリエイティブ案が、AIなら50本制作できます。

 しかし、最終的に使用するクリエイティブを選定するのは人間です。細かい感情の変化を読み取った素材開発やクリエイティブ制作をAIに丸投げしても、効果的な広告になるとはいえません。「AIを活用すれば大量に候補案は出せるが、当たらないクリエイティブの選定はしたくない。5本でも良いから質の高い候補案を提案してほしい」というクライアントの声も耳にします。

鬼山氏と佐藤氏

──AI活用も進み、広告制作の手段は広がりました。消費者を取り巻く広告は、今後も増え続けると予測できます。他の広告との差別化がより難しくなる中で、消費者の心をつかむ広告を制作するにはどうすれば良いのでしょうか。

鬼山(identify) 繰り返しになりますが、SNSや動画の浸透により、消費者は高い情報リテラシーを身につけ始めています。つまり、広告を出稿している事業者側が、いかに信ぴょう性の高い情報を選択しているかが問われるのです。顔や名前が表示されない広告では、消費者に不信感を抱かせてしまいます。素材開発に妥協せず時間とコストをかける事業者が、成長する時代になっていくはずです。

佐藤(ADKマーケティング・ソリューションズ) この10年ほどで、広告業界の流れは大きく変わりました。少し前まで、モバイルゲームに表示する広告やアフィリエイト広告を制作していたと思ったら、FacebookなどのSNS向け広告が登場し、今ではTikTokが広く浸透しています。メディアの入れ替わりの激しさを目の当たりにしました。

 それでも変わらなかったのが、ジブンゴト化の重要性です。どんなに時代が変わっても、広告である以上は、消費者が共感できなければなりません。そのための素材開発は、これからも続くのではないでしょうか。

「エビデンスがある広告」を実施したい場合は「EVITOL」にご相談ください!

信ぴょう性があるエビデンス素材を活用して記事LPやLP、縦型ショート動画広告の制作を実施し、広告成果を追求したい広告主、広告代理店の方は、「EVITOL」にお問い合わせください。他社の導入背景やケーススタディ、サービスの詳細などをお伝えいたします。

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この記事の著者

夏野 久万(ナツノ クマ)

フリーライター。制作会社などで勤務後、独立。紙媒体をはじめ、企業のオウンドメディアやビジネス系、ライフスタイル系メディア、コラム、エッセイなども手掛ける。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:identify株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/02/02 11:00 https://markezine.jp/article/detail/44689