ニールセン デジタルは、4月18日、動画コンテンツと動画広告の利用動向調査「ニールセン・ビデオコンテンツアンドアドレポート2024(Nielsen Video Contents & Ads Report 2024)」を発売し、そのレポートを元に有料動画サービスの視聴状況を分析し発表した。
34歳以下の半数以上が有料動画の利用経験あり
同レポートによると、インターネットの利用者に対して有料動画サービスの利用経験は、35歳以上では30%であるのに対して、34歳以下では52%と半数以上の人が利用していた。
利用頻度を見ても35歳以上の30%が1日に1回以上利用しているのに対し、34歳以下では40%となり、利用率も利用頻度も若年層ほど高いことがわかる。
3割以上が見たいコンテンツを見つけるのに苦労していると回答
有料動画サービス利用者のうち見たいコンテンツを探すために苦労している人の割合を調べると、前年比で+4ptの36%の人が見たいコンテンツが見つからず困ることがあると回答。特に、34歳以下ではこの傾向が強く、前年比で9pt増加し38%となった。サービス間での競争が激しくなる中、これまでは各サービスが提供するコンテンツの質や量が注目されていたが、今後はいかに消費者にストレスのない視聴環境を提供できるかが重要な課題になることがわかる。
有料動画で重要視するのは「作品のおすすめ機能」
最後に、有料動画サービス契約時に重要視する要素で昨年と比べて増加率の高かった要素に着目。34歳以下で最も多かった項目は「おすすめの作品を紹介してくれる機能」で14pt増加、2番目は「コンテンツがダウンロードできること」で9pt増加していた。有料動画サービスの利用率の高い34歳以下では、コンテンツを見つけやすい仕組みやインターネット環境の有無や回線速度に左右されないシームレスな視聴体験を提供することが重要になってくる。
調査の結果を踏まえて、同社のシニアアナリストであるコヴァリョヴァ・ソフィ氏は、以下のようにコメントしている。
「特に有料動画サービスの利用率が高い34歳以下の視聴者に豊富にある選択肢の中で自社サービスを選択してもらうためには、消費者が視聴したいコンテンツにたどり着くまでのストレスを防ぎ、興味のあるコンテンツを適時に提供することが一層重要になります。各動画配信サービスを提供する企業は、いつ、だれが、どのように各サービスを視聴しているかを把握し、視聴者のニーズに応えるサービス提供を行うことで競争力を維持していくことが重要になります。」
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