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マーケターが向き合うべき「人間の欲求」を丸裸に!セガ エックスディー伊藤氏と面白法人カヤック後藤氏が語る、ゲーミフィケーション最前線

人の根源的欲求と向き合い、意識変容まで導くには【セガ エックスディー伊藤氏×面白法人カヤック後藤氏】

ピーマンが嫌いな子に食べさせようとするのではなく、好きと思わせる

後藤:合わせて、私たちカヤックが掲げる「ゲームフルデザイン」も紹介させてください。

 従来のゲーミフィケーションは、たとえば「ピーマンが嫌いな子どもにピーマンを食べさせるため、細かく刻んでハンバーグに入れて食べさせる」イメージです。つまらないものや苦手なものに、ゲーム性を付与して取り組ませるわけですね。

 一方でゲームフルデザインは、嫌いなものを嫌いなまま食べさせるのではなく、「ピーマンが好き」と思わせるためにどうすべきかを考えます。すなわち、ゲームフルデザインは人間の行動変容だけでなく、意識変革までゲームの力で行うことを目指す考え方として、当社では区別しています。

 近年、ミニゲームを加えて楽しそうに見せるゲーミフィケーションは世の中にあふれています。しかし、ユーザーに「商品が大好きでずっと使いたい」と思ってもらえるまで行動変容を起こすゲーミフィケーション(=ゲームフルデザイン)は、まだ多くはありません。当社では、2・3歩先の「もっと使っていたい」まで深めていくことが使命だと考えています。

パーセプションが変わるような、深い行動・態度の変容を

MZ:セガ エックスディーは「ゲーミフィケーションカンパニー」を掲げていらっしゃいますが、伊藤さんはいかがお考えですか。

伊藤:私たちも同じ考えです。2008~2009年頃、最初にゲーミフィケーションがにわかにバズワードになった時は、スタンプカードやミニゲームのようにゲームの方法論だけ取り出して加える考え方でした。ですがユーザーは、スタンプを貯めたいからではなく、「ゴールへ到達したい」「おもしろい」といった理由でゲームを遊びます。ゲーミフィケーションでは、目の前の行動変容だけでなくその先の「深い部分の行動変容」まで考える必要性を感じています。

 私たちはそれを「ゲーミフィケーション2.0」と表現しますが、後藤さんが説明されたゲームフルデザインの考え方と非常に近いですね。パーセプションが変わるレベルで行動・態度の変容を実現していくことが、今求められるゲーミフィケーションであり、ゲームUXの活用だと考えています。

伊藤:近年、北米中心にゲームフルデザインの考え方が教育の領域で使われ始めています。自律性や熟達性といった要素を促し、気持ちや行動が本質的に変わっていくよう導くのがゲームだという解釈をしています。

 マーケターの目線では、マーケティングに取り組む目的がまさに「購入してもらう」「好きになってもらう」といった態度・行動変容です。本質的な行動変容や態度変容を促す上で、ゲームの考え方は大いに刺さるアプローチになり得るのではないでしょうか。

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感覚的・根源的な欲求をマーケティングの切り口に

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/46312

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