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第107号(2024年11月号)
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マーケターが向き合うべき「人間の欲求」を丸裸に!セガ エックスディー伊藤氏と面白法人カヤック後藤氏が語る、ゲーミフィケーション最前線

「企業目線」「ユーザー目線」のギャップを埋める糸口とは?ゲーム視点で考える、顧客の欲求との向き合い方

 ゲームの力を非ゲーム領域に活用し、ビジネスや社会の課題解決に取り組むセガ エックスディーの伊藤氏と面白法人カヤックの後藤氏に、マーケターが今知っておきたい「ゲーミフィケーション」について伺う本連載。ゲーム制作の経験を持ち、ゲーミフィケーションに最前線で向き合う両者に、ゲームが持つ「人の根源的な欲求に訴える力」をマーケティングにどう活かせるか語っていただく。第2回では、ゲーミフィケーションがもたらす効果や可能性、活用のポイントを掘り下げていく。

【連載特別クイズ:第1回の種明かし】

問:この連載を読んで必ず覚えてほしい用語は?
ヒント:連載1話で重要なことは、2話の前であることです。

→文中に「にわ」という平仮名が隠してあり、その前の単語が答えでした。

【連載特別クイズ:第2回】

今回も、セガ エックスディー伊藤氏と面白法人カヤック後藤氏が、本連載のために作成したオリジナルクイズを出題!
ぜひ、記事と合わせてお楽しみください(回答は記事の最後に掲載)。

問:この連載を読んで必ず覚えてほしい用語は?<パート2>
ヒント:第2回の記事の途中に、白黒逆転する答えがあります。

顧客との関係形成、話題化や認知拡大……ゲーミフィケーションが活かせる領域とは

MarkeZine編集部(以下、MZ):今回は、第1回に続いて「ゲーミフィケーション」のマーケティング活用とその可能性を、面白法人カヤックの後藤さんとセガ エックスディーの伊藤さんに伺います。前回はゲームの要素を非ゲーム領域に活用して、行動だけでなく意識まで変えていく「ゲームフル」「ゲーミフィケーション2.0」という考え方を紹介いただきました。

 ゲーミフィケーション領域で様々な企業の支援を行われているお二人から、まずは具体的にどういったゲームの要素がマーケティングで活用できるのか、ご紹介いただけますか。

後藤:前回、施策活用の例として挙げた「スタンプカード」「ロイヤルティプログラム」の他に、よく使われるゲーム要素の一つが「コレクション」です。人間は、“穴”があるとつい埋めたくなる、コンプリートしたくなる欲求を持っているため、ゲーム領域では遊び続けてもらうために用いることの多い手法ですね。

 適切な中間目標を設置することで、「ここまで頑張ったから、次はこの地点まで頑張ろう」とユーザーに思わせ、継続につなげられます。

伊藤:セガ エックスディーでは、以前の連載記事でもご紹介した「ゲーミフィケーションボード(ゲーミフィケーション曼荼羅)」という、アプローチ手法を整理・体系化したフレームワークを開発しています。実は今年に入って、それをアップデートした「Oボード」というものを制作しました。これは、「人を動かす9つの基本欲求と、各欲求に紐づく101個の具体的な手法」を整理したものです。

© SEGA XD CO., LTD.(クリックして拡大)

伊藤:同フレームワークで人の行動欲求の原理を体系化し、「長く使ってもらう」「習慣化させる」行動を、再現性を持って実現することを目指しています。そのため、企業と顧客との長期的な関係形成や、ロイヤル顧客化が私たちの得意な領域です。

後藤:一方で、私たち面白法人カヤックは、メンバーが感覚的に体得したメソッドを非ゲーム領域に活用している点が強みですね。トレンドや旬をキャッチして、感覚的に施策やクリエイティブに落とし込み、スピーディーに出していく。短期間での話題化や認知拡大が得意です。

伊藤:アッパーファネルに向けた施策では、特にクリエイティブが強い力を持つと感じます。ですが、この領域はまだ再現性を体系化できていません。データや分析に基づく「勝ちパターン」ではなく、クリエイターの感性や施策を取り巻く社会的背景などが大きく影響するでしょう。

魅力的な問いを立て、対象への関心をかき立てる

MZ:同じゲーミフィケーションの企業でも、両社は方法論や得意なターゲット層・目的が異なるのですね。

後藤:そうですね。一言でゲーミフィケーションといっても、皆が同じやり方を取るより、多様性があるほうがより発展していくと思います。

 個人としても、得意な領域はあります。私は前職で「ことばのパズル もじぴったん」という、文字を並べるパズルゲームを作りました。今の会社でも、クイズのソーシャルゲーム運営を4年ほど担当していました。

 これらの経験もあり、クイズを活用してユーザーに興味を持たせ、「学びを楽しくする」ことによる行動変容の促進を得意としています。知識欲は、誰にでもある欲求の一つです。クイズに正解すると気持ちよく、間違っても学びを得られます。クイズを活用したゲーミフィケーションは、「つい、もっとやりたくなる」欲求を刺激することが肝になります。

 同様に、マーケティングやPRでも「なぜでしょう」と問いかけることで興味を喚起できます。そのクエスチョンをいかにおもしろく、魅力的に作るかがポイントですね。プロのクイズ作家が手掛けた問題は、問いの立て方や知識欲をかき立てる切り口が本当に素晴らしいので、私もよく学ばせてもらっています。

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ネコ型配膳ロボットから考える「テクノロジーと体験の接着剤」としてのゲーミフィケーション

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マーケターが向き合うべき「人間の欲求」を丸裸に!セガ エックスディー伊藤氏と面白法人カヤック後藤氏が語る、ゲーミフィケーション最前線連載記事一覧
この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/12/02 08:30 https://markezine.jp/article/detail/46313

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