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マーケターが向き合うべき「人間の欲求」を丸裸に!セガ エックスディー伊藤氏と面白法人カヤック後藤氏が語る、ゲーミフィケーション最前線

人の根源的欲求と向き合い、意識変容まで導くには【セガ エックスディー伊藤氏×面白法人カヤック後藤氏】

 ゲームの力を非ゲーム領域に活用し、ビジネスや社会の課題解決に取り組むセガ エックスディーの伊藤氏と面白法人カヤックの後藤氏に、マーケターが今知っておきたい「ゲーミフィケーション」について伺う本連載。ゲーム制作の経験を持ち、ゲーミフィケーションに最前線で向き合う両者に、ゲームが持つ「人の根源的な欲求に訴える力」をマーケティングにどう活かせるか語っていただく。第1回では、ゲーミフィケーションの考え方を紐解きながら、マーケティング活用の可能性や実現できることを考えていく。

【連載特別クイズ:第1回】

セガ エックスディー伊藤氏と面白法人カヤック後藤氏が、本連載のために作成したオリジナルクイズを出題!
ぜひ、記事と合わせてお楽しみください(回答は記事の最後に掲載)。

問:この連載を読んで必ず覚えてほしい用語は?
ヒント:連載1話で重要なことは、2話の前であることです。

「ゲームの力」を非ゲーム領域に活用

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、自己紹介をお願いします。

後藤:面白法人カヤック(以下、カヤック)の企画ディレクターを務めています。元々、ゲーム会社で企画やプランナー・ディレクターとしてゲームを制作していました。「ゲーム作りで培った経験を様々な分野に活かしたい」という思いからカヤックにジョインし、ソーシャルゲームのプランナーやPR用のコンテンツ制作などを行ってきました。

 社会・企業の課題やニーズに対してゲームの力で貢献するため、2023年に「ゲームフル」というゲーミフィケーションに特化した社内組織を立ち上げました。現在はコアメンバー4名を中心に、企業へのコンテンツ提案などに取り組んでいます。

面白法人カヤック 面白プロデュース事業部 ディレクター 後藤裕之氏
面白法人カヤック 面白プロデュース事業部 ディレクター 後藤裕之氏

伊藤:2010年からセガでゲーム制作を行っており、2016年にゲームで課題を解決する会社としてセガ エックスディーを設立しました。ゲームが持つ「人の心を動かして夢中にさせる力」を非ゲーム領域に活用し、企業や世の中の課題を解決していくことをミッションに掲げています。

株式会社セガ エックスディー 取締役 執行役員 COO/ゲーミフィケーションデザイナー 伊藤真人氏
株式会社セガ エックスディー 取締役 執行役員 COO/ゲーミフィケーションデザイナー 伊藤真人氏

伊藤:現状、ゲームを社会課題のソリューションとして捉えることに対して「自分たちは関係ない世界」と認識している人は少なくありません。カヤックさんと私たちセガ エックスディーは見方によっては競合関係ではありますが、まずはゲームの社会実装を拡大するという同じ目的の元、プロジェクトなどでご一緒しています。

興味喚起から利用継続まで、すべてがゲーミフィケーションに内包される

MZ:まず、ゲーミフィケーションという概念について教えていただけますか。

後藤:ゲーミフィケーションとは、ゲームの仕組みやデザインなどの要素を⾮ゲームの分野に活用することを指します。これにより、ユーザーの興味やモチベーションを湧き立たせ、行動を促進し、認知拡大やロイヤルティの強化などを図っています。

 「ゲームは社会問題や企業課題とは非常に遠い存在」というイメージを持たれる方も少なくありません。しかし、店舗のスタンプカードや購入数に応じて景品と交換する、といった設計はマーケティングでも行われますが、ゲームでもよく見られる手法です。

 デジタル以外では、駐輪場に白線を引くと、説明しなくても皆がそこにそろえて自転車を止めますよね。ゲームの世界は、説明書を読まなくても遊べる作りにすることが大切なので、人々の行動に沿って自発的により良い選択に導く行動経済学である「ナッジ理論」のような設計がかなり行われています。

 ゲームはサブカルチャーや遊びといった位置付けにとどまらず、世の中全部に関わっています。動機付けや興味喚起はもちろん、認知および継続を促すことも、すべてがゲーミフィケーションに内包されています。

MZ:マーケティング領域における認知施策やブランディング、購買促進、CRMやLTV向上まで、ゲーム設計における考え方や方法論が適用できるのでしょうか。

後藤:おっしゃる通りです。ロイヤルティプログラムや会員施策なども、ゲーム開発ではよくある設計ですね。ゲーミフィケーションという言葉自体は近年できたものですが、その本質的な考え方は以前からあります。

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ピーマンが嫌いな子に食べさせようとするのではなく、好きと思わせる

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/46312

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