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セガ エックスディーが語る、ユーザーの心を動かす「行動中心設計」な仕掛け

【ワークシート付き】8つの要素と2ステップで、ユーザーの「ついやってしまう」アイデアを作る方法

 ユーザーの行動に着目し「ついやってしまう・やりたくなってしまう・やり続けてしまう」を実現する「行動中心設計」の考え方を、セガ エックスディーの伊藤氏が解説する本連載。第2回目となる本記事では、無意識に「ついやってしまう」UXについて、フレームワークとともに紹介します。

「ついやってしまう」メカニズムを分解する

 心理学・行動経済学には、人間の思考には早い思考「システム1」と遅い思考「システム2」が存在するという理論があります。システム1は“自動システム”とも呼ばれ、印象を感じる・連想するなど、直感的に自動で働く思考システムです。コマーシャルを見た瞬間に「なんだかよさそう」と感じることが例として挙げられます。

 システム2は“熟慮システム”とも呼ばれ、システム1で答えが出せない時に働く論理的な思考システムです。たとえば、コマーシャルを見て「なんだかよさそう」と感じた後に、製品サイトにアクセスし、金額を見て類似製品と比較し最終的に購入を決定する場合です。

 これらの2つの思考システムがある訳ですが、時にシステム1だけで行動するケースがあります。これを活用した考え方が、連載の第1回において「行動中心設計」の全体像の中で紹介した「無意識な瞬間UX」です。

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人々の行動を誘導する「ナッジ理論」

 無意識な瞬間UXは、見た瞬間にユーザーが行動を選択するまでの意思決定プロセスにアプローチします。そのため、クリエイティブやUI(ユーザーインターフェース)に密接に関係します。一方で「ついやってしまう」をクリエイティブ・UIに活かしていくために必要な要素や体系的方法論は、いまだ確立されていません。そのため実務的な活用の難易度が非常に高い領域でもあります。

 行動中心設計は、行動経済学者リチャード・セイラー教授の提唱する「ナッジ理論」をベースにしています。ナッジ理論とは、人々の行動に対して強制的ではなく自発的に、選択の自由を残しつつよりよい選択へ導く考え方です。先述の思考システムに置き換えると、システム2に頼らずシステム1へアプローチすることによって、人々がより良い行動を選べるようにしていきます。

 行動中心設計では、このナッジ理論を実務的に解釈し、実践的に活用しやすい形で8つの要素を定義。これらを活用し「ついやってしまう」体験をデザインしていきます。

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この記事の著者

伊藤 真人(イトウ マナト)

ゲーミフィケーションデザイナー/株式会社セガ エックスディー 取締役 執行役員 COO 株式会社セガにゲームプランナーとして入社し複数タイトルのモバイルゲームディレクターを担当。 新規事業部門にてアドプラットフォーム事業を立ち上げ総ユーザー数1億超を達成。その後メディア/ポイントプラットフォーム/コ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2023/07/04 08:00 https://markezine.jp/article/detail/42558

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