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今知っておきたいマーケティング基礎知識

【担当者必見】X(Twitter)収益化の方法と運用のコツ6選

 X(旧Twitter)はサブスクリプションや広告収益配分プログラムなど、名称変更されてから収益化の方法が追加され、副業収入を得たい個人の参入も増えたが、従来のSNSマーケティングにも引き続き活用可能である。本記事では、Xによる収益化の方法とアカウント運用のコツ6選を紹介する。デジタルマーケティングの担当者やXで収益を得たい方は、最後まで読んでみてほしい。

Xを収益化するとどれくらいの利益になる?

 Xでどれくらいの収益を稼げるのか、収益化手法として有名な広告収益配分プログラムで得た収益額を公開している著名人の例を紹介する。

 2ちゃんねるの創設者ひろゆき氏(フォロワー約254万人※2024年10月時点)が2023年2~7月で得た収益は、2,328.51ユーロ(当時約36万6,000円)だ。

 また、声優の村瀬歩氏(フォロワー約44万人※2024年10月時点)が同期間で得た収益は134.55ドル(当時約18,940円)とポストしている。

 モデル・起業家のくりえみ氏(フォロワー約69万人※2024年10月時点)も同期間の収益を公開しており、その額は12,634円。

 このように、著名人のようにフォロワー数が多ければ、投稿するだけでも収益化は可能だが、約6ヶ月間の収益金額としては大きな金額ではない。他の収益化手法との組み合わせやマーケティングへの活用などによって、収益額を大きく伸ばすことができる。

Xを収益化する方法7選

 実際にXで収益化する方法を7つ紹介する。マーケターも個人で稼ぎたい方にも有効な手法を紹介するので、参考にしてもらいたい。

  • 自社サービスや商品の販売
  • ブログやYouTubeへの誘導
  • アフィリエイト収入
  • 広告収益配分プログラムの利用
  • クリエイターサブスクリプション
  • Tips
  • 案件への応募

 それぞれ詳しく解説する。

自社サービスや商品の販売

 すでに販売可能な自社サービスや商品を持っている場合は、Xで集客を行えば収益を上げられる。企業なら自社製品やコンテンツ、サービス、また個人であれば有料noteや電子書籍、ココナラなどのサービス販売が可能である。

 ただし、ユーザーは商品やコンテンツを購入するためにXを利用しているわけではないので、過度な売り込みには注意が必要だ。

ブログやYouTubeへの誘導

 ブログやYouTubeチャンネルの運営を行っている場合、アカウントのプロフィールにリンクを貼ることで、ポストからプロフィールに訪れたユーザーを誘導できる。検索エンジンなどから自社ブログへの流入が見込めないときに、SNSの集客は大きな流入経路となるだろう。

 自社のブログやYouTubeチャンネルの視聴数が増えれば、PVやクリック数に応じて得られるアドセンス広告やアフィリエイト広告から収入が得られる。ブログやYouTubeでは、Xのように文字数制限がない状態でユーザーに訴求できるため、誘導できれば収益化のハードルが下げられる。

アフィリエイト収入

 Xにアフィリエイトリンクを設置して広告収益を得ることも可能だ。他社サービスや商品を紹介し、実際に商品が購入されるなど一定の条件を満たすと収益が得られる。

 アフィリエイトの案件は、ASP(Affiliate Service Provider)が提供しているものやAmazonアソシエイト、楽天room、メルカリアンバサダーなどが紹介しており、個人でも始めやすい。

 アフィリエイト広告をXのポストに掲載する場合は、ステマ規制法に則りプロモーションであることを記載する必要がある点に注意が必要だ。

広告収益配分プログラムの利用

 前段で紹介したXの広告収益配分プログラムは、ポストの返信欄に表示される広告からX社が得た収益の一部をユーザーに配分する仕組みだ。

 広告収益配分プログラムに参加するには、次の3つの条件を満たす必要がある。

  • X Premiumへの加入
  • フォロワーが500人以上
  • 過去3ヶ月間のインプレッション数が500万以上

 この中でクリアするのが難しいのはインプレッション数500万以上だろう。フォロワー数が500人でもインプレッション数はなかなか500万には届かない。

 ただ、インプレッション数に関する条件は、広告収益配分プログラムリリース直後は1,500万以上とさらに高い条件を課していた。2023年8月11日に500万まで引き下げられた経緯があるため、当初よりは収益化が容易になっている。

 また2024年10月10日には、収益配分プログラムの仕組みを変更するとX社が発表し、「投稿の返信欄に広告が表示されても、収益は発生しない」などの仕様変更がアナウンスされた。

X premium(旧Twitter Blue)とは

 広告収益配分プログラム参加の条件の一つになっているX premium(旧Twitter Blue)とは、Xの有料機能を使用するためにX社がユーザーに対して提供するサブスクリプションサービスだ。

 タイプは「ベーシック」「プレミアム」「プレミアムプラス」の3種類があり、それぞれの特徴をまとめると次の通りだ。

(タップで画像拡大)
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 広告収益配分プログラムへの参加は「プレミアム」以上への加入が必要となる。X premiumでは、ポストの編集や、ユーザーにより強い訴求が可能な長文ポスト・長尺動画のアップロードが可能だ。Xで収益化を目指す方は加入を検討してみてはいかがだろうか。

クリエイターサブスクリプション

 クリエイターサブスクリプションは、アカウントのファンとなったユーザーが月額料金をX社に払って登録することで、登録メンバー限定のポストやスペースにアクセスできるようになる仕組みだ。Xで直接的に収益化する方法のため、主に個人向けの手法である。月額費用はアカウント運営者が設定でき、支払われた月額費用の一部がアカウント運営者に支払われる。

 クリエイターサブスクリプションを実施するには、X premiumの「プレミアム」以上に加入していることや、アクティブなフォロワーが500人以上いることなどが必要だ。

Tips

 Tipsは、ユーザーからの投げ銭を受け取れる仕組みだ。有益な情報発信や人柄に好感の持てるアカウントをユーザーが応援するためのシステムである。こちらも主に個人が収益化するための手法だ。

 Tipsは現金またはビットコインにて送受信でき、受け渡しについては第三者が運営する決済サービスを用いて行われる。そのためXは仲介料を受け取らず、アカウント運営者はユーザーから支払われたTipsから決済サービス利用量を差し引いた金額を受け取れる。

 サービスの受発注やサブスクリプションサービスへの加入を要件としていないため、比較的簡単に始めることができる収益化の手法だ。

案件への応募

 個人事業主としてプログラミングや動画編集などの業務を請け負うことができるスキルを持っている場合は、案件を公開しているユーザーを探して応募するのも収益化の方法の一つだ。

 X上で動画編集者やプログラマーなどを募集しているユーザーは一定数存在するので、DMやリプライで連絡を取り、条件をすり合わせて案件を獲得すれば収益につなげられる。

 ただし、実際に契約締結する際は、信頼できる相手かどうかよく見極める必要がある。

Xで収益化を行うメリット

 様々なSNSが存在する中で、Xによって収益化するメリットがどこにあるのか、詳しく解説する。

  • 収益化の手段が豊富
  • 歴史が長くユーザーが多い
  • ポストが拡散されやすい

 それぞれ順番に見ていこう。

収益化の手段が豊富

 前章で紹介したようにXには収益化のチャネルが多く存在する。アフィリエイトやブログ・YouTubeへの誘導は他のSNSでも可能だが、広告収益配分プログラムやTipsなどはXが公式に用意する独自の収益化手法だ。

 収益化の手段が豊富なため、ユーザーを集めることさえできればマネタイズはどのようにでもできる。様々な角度から収益化につなげられるのがXの強みである。

歴史が長くユーザーが多い

 Xは数あるSNSの中でも歴史が長いため、ユーザーが多くマネタイズにつなげやすい。2006年3月に前身のTwitterがサービスを開始しており、2010年に創設されたInstagramよりも長く運営されている。

 また、総務省の「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 」では、20代の78.8%がXを利用しており、Instagramよりも利用率が高い。歴史が長く、日本の全年代における利用率も45.3%とユーザー数も多いため、収益化のチャンスがたくさんあることもXを利用するメリットである。

ポストが拡散されやすい

 リポストや、アルゴリズムに準じてフォロー外のユーザーにポストが表示されるリコメンド機能による拡散機能で、収益化のチャンスを広げやすいこともXの特徴だ。

 Xにはユーザーが多くの人に見てもらいたいと思ったポストを、フォロワーに届けるためのリポスト機能がある。リポストには、そのままリポストする方法と、ユーザーのコメントを添えてリポストする引用リポストの2種類があり、どちらにおいてもリポストされた投稿は自分のフォロワー外にリーチする。

 また、各ユーザーの閲覧履歴やエンゲージメント履歴に基づいて、興味が高いと思われるポストを選別して表示するリコメンド機能によって、自分の投稿を広げることも可能だ。

Xで収益化を行う際の注意点

 Xで収益化を行う際、ただアカウントを運営しているだけで収益化できるわけではない。本章ではX運用で収益化を目的とする場合の注意点を紹介する。

  • KPI・KGIを設定してから運用を始める
  • 単なる広告媒体として運用しない
  • 担当者の負担増に配慮する
  • 炎上のリスクに留意する
  • ルールやマナーに沿った運用を心掛ける

 それぞれ詳しく解説するので、Xの運用を始める前に目を通してもらいたい。

KPI・KGIを設定してから運用を始める

 Xのアカウントを作って漫然と投稿やフォロワーと交流していても収益化はできない。運用目的に応じてKPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicator)やKGI(重要目標達成指標:Key Goal Indicator)を設定する必要がある。これらを定めずに運用していると、フォロワー数もインプレッション数もやみくもに追いかけることになり、運用の効率が下がってしまう。

 たとえば、自社や自社商品の認知度アップをKGIに定めるのであれば、インプレッション数をKPIとし、多くのユーザーに知ってもらうことを目指すのがよいだろう。

 運用する目的を定め、そのためにどの数値を指標とするかを設定することで、運用の方向性が明確になり、効率よく収益化できるようになる。

単なる広告媒体として運用しない

 ユーザーは情報収集や暇つぶしのためにXを見ているため、広告を求めていない。そのため、売り込みの色合いが強い投稿などXを広告媒体として宣伝しか行わないようなアカウント運用を行っても収益化はできないだろう。

 一方的な情報発信にならないよう、閲覧するユーザーのことを考えた投稿内容の精査が必要である。発信するばかりでなく、フォロワーの投稿にリプライを送って交流を深めるなども有効だ。

担当者の負担増に配慮する

 Xには収益化を目的としたアカウントがすでに多く存在する。その中からユーザーに覚えてもらうためには投稿頻度だけでなく、内容の考案や交流も必要だ。

 そのため、X運用担当者には大きな業務負荷がかかる。人員が許せばX運用について専任の担当者を配置するのが望ましい。広報担当者に通常業務とX運用を兼任させてしまうと、業務量増加についていけず、思うような成果が得られない可能性が高い。

 また、担当者はXなどSNSの利用経験がある者に任せないと、SNS独自の文化や機能に慣れるところから始める必要があり、教育コストがかかってしまう。X運用は片手間でできるものではないため、運用を始める際は業務量や担当者に十分配慮する必要がある。

炎上のリスクに留意する

 前述のようにXはリポスト機能など拡散性が高いSNSである。拡散によって短期間でフォロワー数を増やそうとして過激な内容を投稿すると、炎上のリスクがあることに留意する必要がある。

 一度炎上してしまうと、そのアカウントでユーザーからの信頼を取り戻すのは難しい。企業としてアカウント運用する際は、投稿前に複数人でチェックするなどの体制を構築しておくとよいだろう。

ルールやマナーに沿った運用を心掛ける

 運営からのアカウント削除やユーザーからの信頼を損なわないために、ルールやマナーに沿った運用を心掛ける必要がある。Xの規約で定められた暴力的な内容やセンシティブな内容、虚偽の主張などは投稿しないこと、アフィリエイトで収益化を測る場合はステマ規制法(景品表示法第5条第3号)に則った対応が求められる。

 また、著名人の投稿や盛り上がっている話題に中身のない投稿で便乗してインプレッション数を稼ぐ「インプレゾンビ」にならないようにすることも大切だ。

Xで収益化をするための運用のコツ6選

 最後にXで収益化を図るためのアカウント運用のコツを6つ紹介する。ユーザーから信頼を得て購買につなげるために大切な内容のため、これからアカウントを伸ばしていきたい方に参考にしてもらいたい。

プロフィールを充実させる

 プロフィール画面はSNSの顔ともいえるページのため、しっかり作り込む必要がある。ポストを見てプロフィールページを訪れたユーザーが、フォローしたいと思うような魅力のある内容にしなければ収益化は難しい。

 どのような発信を行うアカウントなのか、プロフィール文とアカウント名、アイコンやヘッダー画像からユーザーが一目で理解できるようにまとめ、フォローする必要性を感じてもらう。

 プロフィールを作る際は、あらかじめペルソナを作り込んでおくと、誰に向けたアカウントなのかが明確になり、内容にブレが生じにくくなる。

有益な情報発信を定期的に行う

 ユーザーにとって有益な情報発信を1日1回以上定期的に発信し、「投稿を見逃したくないからフォローしよう」と思ってもらう必要がある。前段でも解説したように、単なる広告宣伝の投稿はユーザーから毛嫌いされる。

 企業が自社商品の宣伝をしながら、有益な情報を発信している事例として有名なのが無印良品だ。

 自社商品を使ったSNSで目を引くレシピを投稿し、ユーザーから多くの反応を得ている。

 アカウントを運営する際は、どの投稿がユーザーから大きな反響を得られたかアナリティクスで確認し、反応の良かった投稿に方向性を合わせていくと、有益と感じてもらえる投稿を量産しやすい。

ユーザーとの距離が近くなるようにする

 商品やサービスを購入してもらうには、ユーザーがアカウントに好感を持ってもらうことが必要だ。情報を発信するだけでなく、フォロワーに対して「いいね!」やリポストなどのリアクションを行い、双方向のコミュニケーションを行うことで距離が近づき、好感を持ってもらいやすくなる。

 個人だけでなく、企業アカウントにおいてもユーザーとの交流や、親近感を持ってもらえる投稿は重要だ。

動画や画像などのコンテンツを添付する

 Xのアルゴリズムでは画像や動画を添付したポストの方が優先的に多くのユーザーにリコメンドされるため、拡散性が高くなる。効率よくアカウントを伸ばすには、投稿内容がより伝わりやすくなる画像や動画といったコンテンツ作成も重要だ。

 画像については3~4枚添付すると拡散されやすくなるため、投稿内容に応じて図解などを添付するとよいだろう。

定期的にプレゼントキャンペーンを行う

 提供できるサービスやコンテンツを持っている場合、定期的にプレゼントキャンペーンを行うことで多くのエンゲージメントを効率よく集められる。キャンペーンへの参加条件にリポストや返信を含めれば、よりその効果は高まるだろう。

 プレゼントに割く予算やリソースが許せば、試してもらいたい手法だ。

ChatGPTで運用の効率化を図る

 投稿内容を考えたり、ポスト用の文章にまとめる作業をChatGPTに行ってもらえば、運用の効率化が図れる。

 どのようなアカウントを運営し、どんな投稿をしたいのか伝えれば内容のアイデアやポストの下書きを作成してもらえる。有料プランに加入すれば画像作成も可能だ。

 運用にかかる負担を減らしたい場合は、ChatGPTも活用してみてほしい。

まとめ

 今回はXを運用して収益化を図るための方法やアカウント運用のコツを解説した。Xは収益化の方法が幅広く、ユーザー数も多いため企業や個人を問わず収益化が行いやすい。

 特に自社サービスや商品の販売を行いたい企業にとって、上手にフォロワーを増やせれば、新たな販売チャネルの開拓につながるだろう。

 アカウント運用の負担は大きいが、取り組む価値は十分にあるので、本記事をきっかけにXの運用に挑戦してみてほしい。

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この記事の著者

マーケ研究所(マーケケンキュウジョ)

 マーケティングに関する情報を調べ、まとめて届けています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/13 00:00 https://markezine.jp/article/detail/46430

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