「ツールの利用が定着しない!」を解決した“イエローカード”システム
MZ:Sansanは、今年春にKARTEによる顧客体験向上や事業成長が認められ、KARTE STAR 2024(※)で「GOLD STAR」を受賞されました。受賞によって変化はありましたか?
小峰:メンバーのモチベーションが向上したと感じます。KARTEを活用した成功事例を見て、他の部門でも同様の手法を取り入れられないか、あるいは既存の手法をさらに改善できないかという意識が高まりました。
MZ:評価されたポイントのひとつに、「Sansan」プロダクトサイトでの成功を「Bill One」「Contract One」など他のプロダクトサイトへ横展開し、事業部横断でナレッジを蓄積した点が挙げられています。横展開をうまく実現できたポイントはどこにあると考えますか。
小峰:基本的にKARTEに関する定例会議は事業部横断で実施しています。たとえば、ある事業部で特定の施策を実施していることが共有されると、他の事業部が「それは参考になる」「私たちの部署でも同様のことができそうだ」と考え、すぐに横展開できる状態になっています。
北川:ツール導入でよく見られる失敗例として、導入したものの、それを運用するための仕組みが適切に構築されないまま属人化してしまうことや、多くの人に活用されるツールとして定着しないまま放置されてしまうことがあると思います。そのような中でうまく体制を整えられたのは、小峰が率先して皆がアイデアを出せる場作りをしたことが大きいと思います。
振り返りもきちんと行い、実施した施策をスライドなどにまとめ、どの策がどのような結果をもたらしたのかを、メンバー間で共有できるような仕組みを構築しました。またイエローカードシステムを導入し、互いに施策の進捗状況がわかるようにしています。
顧客の成功を起点にしたマーケティング活動を
MZ:最後に、今後の展望についてお聞かせください。
小峰:KARTE導入直後と比較すると、現在はKARTE経由で毎月一定数のCVを獲得しており、チャネルとしてのポジションを確立することができました。そのため次は、量だけでなく質の向上にも向き合っていきたいです。CV後の要因分析まで含めて、量と質をうまく両立できるような施策を今後実施していきたいと思います。
佐々木:Bill One観点で話すと、Bill Oneは請求書受領だけではなく、経費精算や請求書発行など新たな領域へと事業拡大を続けています。新規事業のマーケティングにおいて、Webサイトを訪れたユーザーに対して、どのようなコミュニケーションを取るべきか、何が正解なのかを探る際、KARTEは非常に有用であり、さらに活用していきたいと考えています。そしてまた来年も「GOLD STAR」を取りたいですね。
北川:私からは、まずプロダクトごとの今後の展望をお話しします。「Sansan」はこれまで当社の屋台骨として会社を大きく支えてきた事業です。しかし、冒頭にお伝えした通り、最近では名刺管理という位置づけから営業DXサービスへとコンセプトを変更し、より広いマーケットに対してサービスの価値を届けようとしています。今まで接点を持てていなかったお客様に対して、当社の価値をしっかりと伝え、サービスの導入を検討していただけるようマーケットを拡大していくことが、現在の課題です。
「Bill One」は請求書受領だけでなく、請求書発行や経費精算という新しい第2、第3の矢を打ち込み始めたところです。マーケティングとしては、これらをいかに垂直立ち上げさせるかが大きなテーマとなっています。
そして「Contract One」は、「Sansan」と「Bill One」に次ぐ三つ目のプロダクトとして、さらなる飛躍を目指しています。組織規模はまだ小さいですが、その中でも効率的で生産性の高いマーケティング活動を通じて事業貢献できることを目指しています。
これら三つの事業に共通して、マーケティング部としては顧客を起点にしっかりとマーケティング活動が行えるような型を作っていきたいと考えています。その中で、顧客理解や顧客体験にしっかりと向き合い、そこからアウトプットしていくためのスキルが必須のコンピテンシーになっていくと考えています。そういった能力の開発も含めて、部全体でしっかりと取り組み、組織を強化していきたいと思っています。
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