相談企業の約8割が「新規顧客の獲得」に課題
MarkeZine編集部(以下、MZ):広告運用の支援を行っていて感じる、広告主企業が抱える課題について教えてください。
久保田:当社にご相談いただく企業は、「新規顧客の獲得」か「顧客獲得単価(CPA)の改善」のどちらかの支援をご希望されることがほとんどです。その中でも、約8割の企業が新規顧客の獲得に課題を感じています。これは現状の広告配信でPDCAを回してもこれ以上の改善が見込めず、支援を必要としているためですね。
MZ:なぜそのような課題が生じるのでしょうか。
久保田:そもそも新規顧客の獲得は、非常に難しいものです。当社のクライアントには健康食品や化粧品を販売する企業が多いのですが、彼らのような競合商品が多い業界でユーザーに反応してもらえる広告を作るのは容易ではありません。特に、リスティング広告ではなく、ディスプレイ広告のようにニュースサイトなどに広告を出して成果を得ようとするなら、やはりノウハウが必要です。ゆえに、何から相談すれば良いかわからないという方も多いですね。
浅香:仰る通り、特定のキーワードに興味を持つ顕在層に向けて広告配信を行うリスティング広告と、潜在層に向けて配信するディスプレイ広告では、適する設計がそれぞれで大きく異なります。SmartNews Adsもアプリを見ている方々に向けて配信するため、方向性としては後者に当たります。
浅香:ユーザーが「商品を欲しい」と思っている最適なタイミングで適切な配信面に広告配信ができないと商品の購入には至りません。だからといって広告を出しすぎても今度はユーザーから疎まれてしまうため、適切な広告配信方法を発見できずに困っている方が多いのだと思います。
配信数が少ない段階でも広告効果の検証が可能
MZ:ディスカバリーでは2023年から広告運用支援にSmartNews Adsを積極的に活用し、「SmartNews Adsパートナープログラム」にて「Platinum」認定を受けています。貴社が広告主の支援においてSmartNews Adsを積極的に活用する理由を教えてください。
久保田:大きく二つの理由があります。一つ目は、「配信結果が出る」スピードです。SmartNewsは他の運用型広告プラットフォームと比較して、初動配信の段階からすぐに結果が出てくるため、広告検証を高精度で行いやすいです。
その理由としては、ニュースアプリであることが一番大きいと考えています。多くのユーザーが見出しや内容を見て、広告を読むかどうかの判断を行います。そのため広告の配信数がたまっていない早期の段階でも広告が読まれているかどうかの判断ができ、すぐに改善につなげることができるんです。
二つ目は、「SmartNews Ads出稿時の審査の厳しさ」です。これは言い換えれば、すべての広告主様が適正なルール内で、適正な広告を配信できる環境が整っているということ。このようにブランドセーフティが担保された環境で広告配信を行えるのは本当にありたいです。
MZ:改めてSmartNews Adsの特長について教えてもらえますか。
浅香:まずSmartNewsは、ユーザーの広告接触時の態度が非常に特徴的な媒体です。SmartNews上で広告接触をするユーザーの方々は、基本的に能動的に情報を取りに来ています。そんなSmartNewsで広告配信を行うSmartNews Adsでは、ユーザーの記事閲覧状況などをアルゴリズムに取り入れて配信を設計。広告をあくまでも“情報の一つ”として捉えてもらうことを目指しています。
加えて、当社のユーザーは、文字を読むことに慣れ親しんでいる方が多いため、遷移先のLPを最後まで読んで商品を理解した上で購入する傾向が見られます。これにより、CVRが高いだけでなく、商品購入後のミスマッチが少ないために獲得ユーザーのLTVが高いという声も多く聞かれますね。
また当社では、世界の3,000媒体以上のメディアパートナー様と提携。その上で、提供できる記事も常時400,000本以上用意しており、ユーザーの興味関心に合わせながらも、それを広げられるよう記事を配信しています。
vCTRと強い相関がある「見出し」 運用の効果を高める鍵は?
MZ:SmartNews Adsを活用する際に意識しているポイントはありますか?
久保田:まず意識しているのは、SmartNewsに適したクリエイティブの制作です。その際、肝となるのが「見出しのテキスト」と「画像」ですね。SmartNewsでは、見出しとして半角70文字まで入力できるのですが、この文字数を最大限使うことが重要です。
浅香:実際当社でも、SmartNewsにおける見出しの文字数について統計データを取得しました。その結果、上限である全角35文字に近い見出しであるほど「ビューアブルインプレッションに対するクリック率(vCTR)」も高まるという正の相関が出ています。
久保田:画像については、記事一覧ページを開いた時に各記事の見出し横に表示される「Channel View」と、ニュース記事の途中で表示される「Smart View」の二枠に合わせて調整しています。
Channel Viewは枠自体があまり大きくないため、できるだけシンプルな画像にすることを意識しています。一方、Smart Viewの枠はサイズが大きく、画像を際立たせやすくできます。そのため、画像内にテキストを入れるなどして、できるだけインパクトのある画像を制作することが非常に重要です。このように配信面に合わせて最適な画像を用意するようにしています。
久保田:加えて、クリエイティブ制作後の配信設定もSmartNews Adsで効果を出すためには大切です。最初にキャンペーンとアドグループを設定し、広告のテキストと画像、遷移先を入稿して配信。初動では、クリエイティブと入札戦略をSmartNewsの配信ロジックに合わせて調整し、クライアントの1日当たりの予算に応じて、最大のコンバージョンになるように運用します。その後は、獲得単価の目標を設定するtCPA(Target CPA)に切り替えています。このように段階に合わせて運用方法を適宜変更することが広告配信の成果最大化の秘訣です。
浅香:ディスカバリー様のように、直近で高い成果を出しているアカウントや代理店様は、一様にしてリアルタイムできめ細かい運用を徹底している印象です。予算感にもよるとは思いますが、まずは沢山のクリエイティブを入稿し、効果を検証。その上で、効果が高いものを改善しながら運用していくことが成果につなげるために大切だと思いますね。
多くのクライアントのCPAが約10%改善、獲得件数は10倍程度に
MZ:SmartNews Adsの活用による成果を具体的に教えてください。
久保田:SmartNews Adsの活用を開始したことで、CPAが前年比で10%以上改善し、獲得件数は10倍程度になったケースが多数見受けられています。
また、他媒体と比較して、獲得ユーザーの継続率が高いことも特長として挙げられますね。これは、先述のSmartNewsユーザーの特性が大きく関係しています。SmartNewsの広告は、ニュース記事を読む習慣がある方々に対して届けられます。これは、広告の内容をしっかりと読んで理解してから購入してもらえることを意味しています。
つまり、商品の性能を誇張せず正確に伝えることができれば、おのずと信頼の獲得にもつながり、ユーザーとの良い関係を構築できるのです。そのため、F2転換率は他の媒体よりも10%強高い結果が出ています。
MZ:なぜディスカバリーではこれだけの成果が出ているのでしょうか。
浅香:媒体の特性をしっかりと理解いただいている、運用スキルの高さ、そして誠実にクライアントに向き合っている、この三つが大きな理由だと思います。
ディスカバリーさんのように大量のクリエイティブを最初に入稿して細かく運用していく方法は、再現性は高いものの、クライアントにしっかりと寄り添って数字や状況の変化をしっかりと見ていなければできないことだと思っています。
運用型広告に求められる“正しい負け方”
MZ:逆にSmartNews Adsを活用している広告主や代理店が行いがちなミスについて教えてください。
浅香:最も多いのは、他の媒体で成功した広告をそのままSmartNewsに転用しようとするケースです。これはクリエイティブに限った話ではなく、運用方法についても同様ですね。媒体の特性を理解しその特性に合わせたクリエイティブや運用を行わないとあまり良い実績にはつながらないと思います。
浅香:ただ一方でそのようなミスは、SmartNewsの広告媒体としての立ち位置が十分に確立しきれていないことも大きな要因ではあります。我々としては、より多くの方にSmartNewsについて理解してもらえるように引き続き努力していかないといけないですね。
MZ:現在、SmartNews Adsの活用を検討している方に向けて何かアドバイスはありますか。
久保田:SmartNews Adsのような運用型広告で成果を上げるためには、「成果がうまく出ていない時の負け方」が非常に重要だと私は考えています。
運用型広告では、たとえ非常に良質な広告を出しても、他社の広告出稿状況やシーズナルイベントなどの外部要因の影響により、1日単位で大きく成果が変動します。
そういった時に大切なのが、焦ってやみくもに運用方法を変えてしまわないことです。常に数字を確認し冷静に外部要因を理解することで、運用自体に問題があるのかを理解し正しく負けることができます。そうすれば一時的に結果が出なくても、要因や正しい対策を理解した上で翌日以降の改善につなげられる。特別な裏技ではなく、日々の運用を丁寧に行うことが大事だと思います。
広告運用に求められる、自分の頭で理解する力
MZ:最後に、久保田さんはSmartNews Adsをどのように活用していきたいと考えていますか。
久保田:最近の広告運用では、データを活用して自動化する方法が主流になってきていると思います。当然、機械に任せたほうが良い部分もありますが、それだけではいけません。機械がより効果的なパフォーマンスを出すための戦略を考えるといった仕事はまだまだ人間に求められる部分です。媒体の特性やロジックを自分の頭で理解して、手動で細かく調整できることも必要だと私は思います。
久保田:SmartNews Adsは非常にアップデートの多い媒体です。そのため、運用する私たちが常に最新情報をキャッチアップして媒体の特性を正しく理解することで、SmartNews Adsの活用を通じた提供価値をさらに向上し、お客様に還元していきたいですね。
MZ:スマートニュースとしては、どのような価値を提供していきたいですか。
浅香:広告配信のプラットフォームとして一番に求められていることは、成果を出せる仕組みの提供です。それに向けて当社では、広告主様や代理店様からのVoC(Voice of Customer)をプロダクト開発に活かすようにしています。今後も顧客起点で様々な機能を開発・提供できればと考えております。
また、ディスカバリー様は、現在関西地方に本社があるSmartNews Adsの認定パートナーの中で最も当社との取り組みに注力し、成果を上げてくださっています。これからもディスカバリー様とそのクライアント様の売り上げに貢献するためにも、課題解決にしっかりと伴走していきます。
アプリユーザー数・掲載媒体数No.1ニュースアプリへの広告掲出で、高いコストパフォーマンスを実現!
今回の記事でもご紹介したように、SmartNewsへの広告掲出を行うことで、高LTVユーザーの効率的な獲得が期待できます。サービスサイトでは、「業種別数値パフォーマンス」や「SmartNewsユーザーの特徴」などについても詳細をご紹介しておりますので、本記事とあわせてご確認ください。