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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

探訪!時代をとらえ、成果につなげるテレビ活用術

「大人エレベーター」が今の若者にも刺さる理由は?サッポロ黒ラベルに学ぶ“余白ある”CM戦略

キャスティングの重要基準は「人となり」と「オケージョン」

 キャスティングでは、時代に沿っており、多くの人が「この人の言葉を聞きたい」と思えるような魅力的な方であることはやはり必須です。そのため、積み上げてきた実績や経験をベースに「輝いている方」に出演いただきたいとは考えています。

 また、キャスティングは年間を通じて設計されており、オケージョンに合った人物を選ぶことを重要視しています。2025年1月からスタートした最新版では、元サッカー日本代表でサッカー指導者の長谷部誠さんに出演いただいていますが、その背景には、箱根駅伝、成人の日、そして3月以降に始まる新生活といった黒ラベルにとって重要なタイミングと、長谷部さん自身が選手から指導者へと新たな挑戦をしていたことも考慮されました。近年は特に、その時期に視聴者の心に響くキャスティングを意識するようになっています。

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CMより

━━年間を通じてキャスティング戦略を練っているんですね。

 「大人エレベーター」の制作は年3回あるので、タイミングごとに事前にテーマを設定しています。今年の1月から4月は「大人をはじめる」というテーマをインナーで掲げており、それに沿った形で様々な施策を走らせているのですが、その一つが「大人エレベーター」で、その他のコミュニケーションもすべてこれに連動しています。

「つまみエレベーター」で店頭を連動させたコミュニケーションを推進中

━━WebやSNSなどの多様なチャネルとテレビCMの連動についてはどのようにお考えですか。戦略や具体的な施策例をお聞かせください。

 連動施策としては、まずWebで「大人エレベーター」の素材を活用していますし、2024年からは「つまみエレベーター」という新しいコミュニケーションを始めました。これはテレビではなくWebコミュニケーションで、黒ラベルに合う「大人つまみ」を提案し、妻夫木さんが調理してレシピを公開するものになっています。さらにこれを、店頭でのPOPに展開しているほか、食材を起点に黒ラベルを楽しめる飲食店を紹介するなど、「つまみエレベーター」をフックに店頭との連動に広げ、チャネルを一気通貫でつなげていくように動き始めています。

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「つまみエレベーター」で紹介されているつまみの一例

 重要なのは、「どの媒体と連動させるか」だけでなく、いかに双方向のブリッジを効かせるかだと考えています。今までは「大人エレベーター」のコミュニケーションをなかなか店頭で訴求できていませんでしたが、この世界観をハブにどうやって一気通貫させていくかが大きな鍵となると考えています。

━━今年の3月、東急プラザ原宿「ハラカド」で「大人エレベーターDAY」というリアルイベントを開催したそうですが、そのイベントも連動施策の一環なのでしょうか。

 まさにその通りです。冒頭で、ビールマーケティングは「広告」と「体験」の2軸で展開しているとお話しましたが、「大人エレベーターDAY」はそれをクロスさせた施策という位置付けです。

 まずオケージョンでいうと、時期的に「新たな門出を迎える季節」であり、前に進むための「挑戦の季節」であるということから、「挑戦」という情緒にフィットしたイベントとして開催しました。

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イベントのキービジュアル
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イベント会場の様子

 さらに当日はスペシャルプログラムとして、「CLUB黒ラベル」という会員サイトのなかで抽選に当たった方だけが参加できるクローズドイベント「大人エレベーターNight」も実施し、妻夫木さんをお招きしたんです。妻夫木さんが過去取り組んだ挑戦についてお話しいただきながら、黒ラベルが掲げているメッセージに共感いただけるような内容で実施しました。

 というのも、実際にその世界観や挑戦という情緒に共感いただくには、CMでも大事にしてきた言葉に触れることが大事だと考えたからです。「大人エレベーター」のCM制作の裏側などもお話しいただき、来場した方々がCM内で交わされた言葉にしっかり触れていただけるように意識しました。

━━イベントでも世界観の連動を強く意識されているのですね。最終的にCMによって得られる成果はどのように見られていますか?

 マーケティングで見ている指標は、ブランド認知率、ファン比率の推移です。数カ月に1回の割合でモニタリングしています。そのほかには、実際の購入率やSNSの発話量も毎月確認しています。

 ただ、これらの数字の推移がすべてCM起因とは限りません。そのため数字は毎回チェックしつつ、上昇・降下傾向が見られた時に原因を分析するという感じでモニタリングしています。

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CM出稿量の増加にともない、好感度や購入意向が上昇

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/04/15 07:00 https://markezine.jp/article/detail/48813

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