クローズド vs オープン、最適なマルチリターゲティング予算は?
クローズド・バジェットでは、予算が固定されているため、限られたリソースの中で効果を最大化することを目指します。複数のリターゲティングプロバイダーを活用するメリットは、新しいターゲット層にアプローチできる点と、ターゲティングの精度が向上し、1コンバージョンあたりの単価を下げられる可能性がある点です。ただし、予算をプロバイダー間で慎重に調整する運用が伴います。
一方、オープン・バジェットでのマルチリターゲティングは、1コンバージョンあたりの単価やROAS(広告費に対する収益)を維持しながら、予算を柔軟に拡大できる方法です。コンバージョン数が増加しても、広告効率が保たれるため、規模拡大に応じて安定した成長が期待できます。キャンペーンが好調であれば、予算を追加してさらなる成長を目指せる点や、予算配分に関する運用の手間がかからないのがオープン・バジェットの特徴です。
比較項目 | クローズド・バジェット | オープン・バジェット |
---|---|---|
予算 | 固定予算をプロバイダー間で分配 | 売上に応じて柔軟に予算を拡大 |
目的 | 限られた予算内での効果の最大化 | 収益率を維持しながら売上を最大化 |
効果 | 獲得単価の低減 | 規模の最大化 |
運用 | 予算分配の調整が必要 | 必要に応じて予算を追加 |
リスク | リスクは少ないものの、拡張性が制限される | 需要の限り安定した成長が期待できる |
マルチリターゲティング戦略のカギは、適切な指標の設定・管理
今回は、マルチリターゲティング戦略における実装や運用のポイントを解説しました。効果的な運用には、複数のリターゲティングプロバイダーを同一指標で比較することが重要であり、外部分析ツールの活用が有効であることをお伝えしました。予算管理に関しては、クローズド・バジェットとオープン・バジェットという2つのアプローチを紹介し、それぞれの特徴と適用場面について詳しく解説しました。
本連載では、Cookieレス時代の潮流を背景に、AIやディープラーニングの進展が広告配信の精度と柔軟性を大きく向上させている点について解説してきました。また、すぐに取り組める対策として、リターゲティングの基本概念から実践的な手法までを詳しくお伝えしました。
特に、複数のAIエンジンを競争させるマルチリターゲティングに焦点を当て、ターゲティングの精度を飛躍的に向上させるとともに、柔軟で効果的な広告運用を実現できる可能性を示しました。この連載が、読者の皆さまが新たな広告戦略を構築するための一助となり、今後のビジネスの成功に少しでも貢献できれば幸いです。