※本記事は、2025年6月刊行の『MarkeZine』(雑誌)114号に掲載したものです
【最終号特集】未来を創る、企業の挑戦
─ AI市場がどう変遷しても優位性を保つ。共創を軸に競争力を高めるパナソニックグループのAI戦略
─ 東京ドームシティが大規模リニューアル、世界一のエンターテインメントシティへの挑戦(本記事)
「世界一のエンターテインメントシティ」を目指して
──まずはリニューアルに際しての、お二人の役割を教えてください。
松浦:私は東京ドームシティの全体リニューアルのプロジェクトマネージャーを務めていました。東京ドームシティの景観を一新するため、一般のお客様が無料で入れるパブリックスペースのリニューアルと、屋外大型LEDビジョンの導入が主なタスクでした。
田部井:私は東京ドームシティにご出店いただいている商業テナント様の日々のサポートや、新しい店舗のリーシング業務を担当しています。

1999年株式会社東京ドーム入社。イルミネーションをはじめとした様々なイベントの企画・運営や営業部門の統括業務、遊園地の現場責任者等、広く営業に関する運営・企画・安全・教育関連業務を担当。2021年より東京ドームシティのランドスケープリニューアルプロジェクトを担当。
(左)株式会社東京ドーム リテールマネジメント部 部長 田部井一哉氏
1998年株式会社東京ドーム入社。2003年のラクーア開業以来、商業施設の運営・宣伝販促・テナントリーシング・テナント会運営などに従事。現在は、東京ドームシティ全域での商業施設事業において事業計画の立案から運営およびリニューアル推進業務などを担当。SC経営士。
──リニューアルの経緯や背景、重視したコンセプトやビジョンを教えてください。
松浦:本リニューアルは三井不動産グループ入り後、最初に着手した大型プロジェクトです。街づくりのプロである三井不動産とともに、「世界一のエンターテインメントシティを作る」ことを大きなテーマに掲げ、進めてきました。
東京ドームシティはイベントによって日々、街の景色や雰囲気が大きく変化します。たとえば読売巨人軍の試合ならジャイアンツカラー一色になりますし、コンサートではアーティストごとに街の様子がまったく異なります。そういった街の姿の変化に応じた、東京ドームシティにふさわしい場所を提供するにはどんなものが良いかを考えました。
そこでキーポイントとなったのが大型LEDビジョンの設置と、「多くのお客様がいらっしゃるのに、憩える空間が少ない」という課題の解決です。イベントに来たお客様がイベントだけでなく滞在時間や待ち時間も楽しめる、また、イベントがないときでも訪れたくなるような空間づくりを進めてきました。