AIに選ばれるブランドと選ばれないブランド、何が違う?
──AI検索への対応が急務となる中で、その対策の鍵として「サイテーション」を重要視する声をよく耳にするようになりました。これは一体、どのようなものなのでしょうか?
サイテーションとは、自社サイト以外のWebサイト、たとえばニュースサイト、口コミサイト、SNSなどで、自社名やブランド・商品名を言及・話題にされることです。「○○っていいよね」とSNSで書かれたり、「おすすめ10選」の記事で紹介されたりするのが、まさにサイテーションになります。
ここで、あえて厳しい質問をさせてください。
あなたの会社のブランドや商品は、今この瞬間、Web上でどれほど“語られて”いますか? 競合と比べて圧倒的に多いと言い切れますか? それとも、実は目を向けたことすらありませんか?
──正直、自社サイトの検索順位は気にしていますが、外部サイトでどれだけ言及されているかという数までは、考えたこともなかったです。
そうですよね。多くの企業が自社サイト内のSEO(内部対策)には必死ですが、外の世界で自社がどう扱われているかには驚くほど無頓着です。しかし、その「言及の差」こそが、AI時代における勝者と敗者を分ける決定的な要因になります。実は今、言及されるブランドと言及されないブランドの間には、既に残酷なほどの「サイテーション格差」が生まれているのです。
たとえば、同じ業界の競合A社とB社。どちらも検索順位は同じくらいだとしましょう。しかしA社は100の外部サイトで名前が挙がっているのに、B社はわずか10サイトでしか触れられていない。この「90」の差。これこそがサイテーション格差です。目に見えない格差だからこそ、多くの企業が気づかないうちに、AIからの信頼を競合に奪われてしまっています。
なぜ今、サイテーションが重要なのか?
──なぜAI検索が普及するこれからの時代に、サイテーションがそこまで重要視されるのでしょうか?
結論から言えば、AIが情報を選択する基準が「情報の正しさ」だけでなく、「そのブランドがどれだけ世間から支持され、信頼されているか」にシフトしているからです。
自社のWebサイトで「うちの商品は業界No.1です」「最高のサービスです」といくら発信しても、それはあくまで「自分で言っているだけ」の主観的な情報に過ぎません。これに対して、AIはSNSやニュースサイト、比較サイトなど、第三者の媒体で語られている情報を「客観的な信頼性の証」として極めて高く評価します。
従来のSEOでも「被リンク」は重視されてきましたが、サイテーションの場合はリンクが貼られていなくても効果があります。つまり、AI検索の時代には「どれだけ多くのサイトで自社が語られているか」という言及の量と質が、信頼性を示す重要な指標になるのです。
もはや、自社の検索順位を上げるだけの対策では不十分な時代です。自社サイトの外側でどれだけ「指名」され、「噂」されているか。この外部サイトでの言及をコントロールすることこそが、マーケティングの新常識になります。

