キーワードから会話へ AIが変えた「検索行為」
まずTaylor氏が強調したのは、検索そのものの性質が根本的に変わりつつあるという事実だ。Googleへの年間検索数は既に5兆回を超えており、商業クエリを含むクエリ総数は増加を続けている。
しかし、注目すべきは「量」よりも「質」の変化だという。かつてユーザーは「赤い靴 近く」といった短いキーワードを打ち込んでいた。しかし、今や長文・会話型のクエリへと移行しつつある。
「人々はキーワード検索から離れ、より会話的で直感的な検索体験へと向かっています。テキストだけでなく、スマートフォンのカメラで撮影した画像で検索するマルチモーダルな行動も急速に広まっているのです」(Taylor氏)
「Google Lens」を使用した、月間のビジュアル検索数は250億回を超え、そのうち5件に1件が商業的な意図を持つという。数年前には存在しなかった検索行動が、今やビジネスに直結する購買起点になり、検索行動は既に変わっている。そして、以下で紹介するGoogleのプロダクトや広告技術は、すべてこの変化を前提に設計されているという。
AI Overviews:「要約回答」のなかに広告を届ける、新しい発見の仕組み
検索行動の変化を受け、Googleが最初に大きく変えたのが検索結果画面そのものだ。その中核にあるのが「AI Overviews」である。
AI Overviewsとは、ユーザーが検索すると画面上部にAIが生成した要約回答が表示され、その下に参照元Webサイトへのリンクが並ぶ機能だ。従来の「青いリンクの一覧」に代わる、新しい検索体験の形といえる。
現在AI Overviewsの月間ユーザー数は20億人を超え、200ヵ国・40言語以上に展開。Taylor氏は「過去10年間の検索機能のなかで、最も成功したローンチの一つ」と表現する。2024年からは、AI Overviewsの上部、下部、および内部に広告が表示されるようになった。
Taylor氏は、この広告の「マッチングの仕組み」が従来とまったく異なると強調する。
「AI Overviewsの広告は、ユーザーが検索したクエリだけでなく、AIが生成した回答の文脈にもマッチングされます。これは広告主にとって新しいブランド発見の機会が生まれたことを意味しています。以前は、存在すらしなかった接点です」(Taylor氏)
