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ビジネスマンのための必読オンラインマーケティング塾

第7回 ビジネスとWebのギャップをシックスシグマで埋める 後編


科学的手法であるシックスシグマ

 こうした「コア・プロセスと主要顧客の確定」、「顧客要求の定義」のフェーズを経て、シックスシグマ活動は「現行パフォーマンスの測定」「改善活動の優先順位づけ、分析、実行」といった測定、分析、改善のフェーズに入ります。

 まず、自社がどんな要求を持つ顧客に対して、どのようなプロセスで価値提供を行っているのかを定義した上で、実際のパフォーマンスを測定することによって問題や課題を明確にします。さらに、その要因の分析を行い、どのような改善プラン、改善のための戦略が必要なのかを見つけていくわけです。戦略が決まれば、はじめに紹介したような戦略マップとバランスト・スコアカードにより戦略の記述、測定、管理を行っていくことができるようになります。 

 このようにシックスシグマは、「顧客重視」、「プロセス重視」、そして、「事実の把握」をベースにした科学的手法による問題解決のフレームワークを提供してくれます。測定や分析に役立つツールもいろいろ用意されており、そのツールの多くが事実データを可視化して理解しやすくしてくれるため、非常に便利です。

 例えば、データから読み取れる様々な要因を整理するには、「親和図」や下図のような「特性要因図(フィッシュボーンダイアグラム)」などがありますし、判明した複数の要因のどれから改善するかを決めるために優先順位をつける判断を行う場合には、「パレート図」や「品質機能展開(QFD)」などのツールも用意されています。

携帯電話の購買決定要因を描いた「特性要因図(フィッシュボーンダイアグラム)」の例。

 顧客の要求がより細分化し、年々複雑化を増す市場環境において、企業が成功し続けるためには、勘や経験、度胸のみに頼ったマネジメントでは、成功を維持していくことはとてつもなくむずかしいことでしょう。こうした企業が厳しい市場で持続的に成功をおさめるには、シックスシグマのような事実重視の科学的手法によって、不確定要素が高い中でも何かしらのパターンを見出し、将来の予測もある程度可能な状態にしておくことが必要だと思います。

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この記事の著者

棚橋 弘季(タナハシ ヒロキ)

芝浦工業大学工学部(建築学専攻)卒。マーケティング・リサーチ、Web開発等の仕事を経て2003年より株式会社ミツエーリンクスに。現在はWebを使ったマーケティングに関する企画や自社サービスの開発に従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/02/09 11:28 https://markezine.jp/article/detail/538

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