広告とCRMとの融合が必須 エフツーエム「OMMERCE」
「EC事業における適切な広告戦略とは、なぜワンストップソリューションなのか?」と題したセッションでは、エフツーエム株式会社 代表取締役社長 浅井尚氏が登壇。ネット通販のマーケティング手法に関する分析結果を紹介した。
冒頭、浅井氏は「ネットビジネスは広告主導型であり、ECにおいても広告をいかに効果的に出すかが避けて通れない問題。しかし現状では、各企業の広告効果測定システムとECシステムは連携されておらず、担当部門もそれぞれ分かれている。そのため、どの媒体から顧客になったのかを把握せずにCRMを行っている。例えば、『10%割引キャンペーン』で顧客になったユーザーに対して、『送料無料キャンペーン』は効果があるのか、といった属性分析が全く実施されていない」とEC運営の問題点を指摘。そのうえで「媒体別など、獲得経路までを含めた顧客分析が今後は必要になってくる」とした。
ここで、浅井氏はエフツーエムが提供するネット通販システム「OMMERCE」が活用された事例を紹介した。OMMERCEは、プランニング/プロモーション/LPO/DB管理/決済/物流/分析など、ネット通販事業に必要なサービスをワンストップで提供するソリューション。このOMMERCEを利用して某メーカーの化粧品とサプリメントを販売し、分析を行ったところ、次のような興味深い結果がでたという。
事例では、無料サンプル、有料トライアルキット、本商品購入という3つゴールを設定し、複数の広告・集客手法(SEO、SEM、アフィリエイト、純広告など)についてその効果を測定・分析した。例えば、CVRに関しては、無料サンプルでは純広告が、トライアルキットではSEMが効果が高いという結果がでた。また、ECシステムのデータを統合して算出された、1人あたりの累積売り上げでは、自然検索からの導入、すなわちSEO対策により獲得したユーザーが最も高かったという。
このように、ワンストップソリューションによって、広告効果測定システムだけ、ECシステムだけではできなかった、総合的な分析が可能になる。「今後はこれらのデータを利用し、認知拡大ならアフェリエイト、累積売り上げを強化したいならSEOといった具合に、全ての顧客ステージ別に適切な手法の選定、顧客のDNAを考慮したマーケティング施策を実施していかなければならない」と浅井氏はワンストップな広告戦略の重要性を強調し、セッションを締めくくった。
その後のセッションでは、株式会社毎日コミュニケーションズの西氏が女性向け媒体「escala」を中心としたクロスメディアマーケティングの成功事例紹介を、株式会社アテナの笹木氏がダイレクトマーケティングにおける展開事例を紹介し、セミナーは幕を降ろした。