炭酸水市場売上No.1*ブランドでクロスメディア展開に挑戦
MZ:改めて、ウィルキンソンのブランド概要と、目指すコミュニケーションについてお聞かせください。
新卒入社後4年間営業を経て、2021年マーケティング本部に配属。ウィルキンソンの販促、新ブランド立ち上げ、お茶ブランドなどを担当した後、再びウィルキンソンを担当。現在は広告、デザイン、販促など、ウィルキンソンブランドの消費者コミュニケーション全般を統括している
加藤:ウィルキンソンは1904年に誕生したブランドです。名前から、海外ブランドと思われがちですが、実はジョン・クリフォード・ウィルキンソン氏が日本で立ち上げたブランドで、ヨーロッパで浸透していたテーブルウォーターの文化を日本に広めることから始まりました。120周年を超えるロングセラーブランドであり、炭酸水市場では売上No.1*を続けています。
炭酸水はコモディティ商品で物性的な差別化が難しい中で、ウィルキンソンが目指すのは情緒価値を重視したコミュニケーションです。強炭酸の質や本格的な炭酸水として支持いただくことに加え、ウィルキンソンを愛飲することで自己肯定感が上がる、質の良い生活を送れるといったライフスタイルの追求を訴求しています。
*インテージSRI+調べ 炭酸水市場(フレーバー含む)2025年2月~2026年1月ブランド別累計販売金額
MZ:2025年夏のキャンペーンでOTTメディアを活用されていたそうですね。狙いは何だったのでしょうか。
加藤:従来、テレビCMは認知獲得には優れていますが、ながら視聴になりやすく、コミュニケーションの質をどこまで担保できるかが課題でした。一方、OTTメディアはユーザーが能動的にコンテンツを視聴しているため、求めるコミュニケーションの質を担保しやすいですし、クロスメディアでの接触機会を増やすことも重要だと考え、活用を決めました。
炭酸水というカテゴリはEC上では物性的なUSP(Unique Selling Proposition:独自の強み・価値)を表現しにくいため、どうしても価格の安い商品に流れてしまうケースもあります。ウィルキンソンはECでの「箱買い需要」も非常に高い商品ではあるのですが、このようなブランドスイッチを抑制すべきと考えていました。そこで、「一流の方々に選ばれ続けている」というブランドの世界観を動画コンテンツとして購買導線に組み込むことで、ロイヤリティを高めたいと考えていました。
また、2025年のキャンペーンは既存顧客向けのコミュニケーションでありながら、2026年以降の新規ロイヤルユーザー獲得に向けて有効なメッセージの切り口を見つけていくための検証の意味合いもありました。
15秒、30秒、60秒で出し分け、態度変容を促す
MZ:今回のキャンペーン全体の設計について、電通デジタルとしてどのような支援を行ったのでしょうか。
電通グループのCCIに新卒入社。2023年から電通デジタルに出向し、アサヒ飲料を担当。ウィルキンソンブランドのデジタルメディアプロモーション、EC販促、クリエイティブ制作など幅広い領域で効果最大化を支援している
森:2025年のウィルキンソンのテーマは「選ばれる、刺激。」です。特に既存ロイヤルユーザーに対して、ウィルキンソンが本格派であること、一流であることをしっかり伝えるクリエイティブを使用しました。15秒のテレビCM素材だけでなく、30秒、60秒の長尺素材も用意し、YouTube、TVer、Prime VideoといったOTTメディアでコミュニケーションを展開。特にYouTubeとTVerでは、15秒の動画でウィルキンソンの世界観を感じてもらった後、60秒の素材でその世界観の背景にある意図を伝えるという設計にしています。
MZ:Prime Video広告は他のメディアとどのような役割分担をしたのでしょうか。
森:テレビCMのタイミングと、Amazonのプライムセールの実施期間が重なるタイミングがあり、それに合わせた役割を持たせました。YouTube、TVer、SNS広告では認知を意識していた一方で、Prime Video広告ではテレビCMと重複しつつも、基本的にはプライムセール期間に合わせて配信。認知だけでなく、ユーザーにお買い得感のある情報を提供できる場としてPrime Video広告を活用しました。

