しっかり見極めたい、キーワードごとの成果
トップ20%の営業マンが売上げの80%を上げるなど、「2対8の法則」と呼ばれる言葉があるように、ビジネスを構成する各要素のパフォーマンスには大きなバラツキがあるものです。
検索連動型広告の「キーワード」にも、同じようなことが当てはまる場合があります。つまり、ほとんどの成果が、実は、設定しているキーワードのうちのほんの一部から生まれていた、という場合があるのです。
キーワードごとの成果を見極めて、有効なキーワードを見つけ出すことは非常に大切です。なぜなら、それらに類似したキーワードを追加したり、広告を集中的に改善したり、あるいは予算の見直しを行うことによって、アカウント全体のパフォーマンスを大きく伸ばすことができるからです。
このコラムでは、広告改善の第一歩として「有効なキーワードの探し方」を解説します。
コンバージョンが測定できる場合はもちろん、測定が難しい場合での考え方も紹介します。また、これに関連する「対象外キーワード」機能の使い方も解説します。
アカウント全体、あるいはキャンペーンごとの成果を見ているだけの方には、特に大きな効果がありますので、ぜひ、最後までご覧ください。
有効キーワードの探し方(1) ~コンバージョンがとれる場合~
有効キーワードの探し方は、検索連動型広告の目的によって異なります。ここでは、コンバージョンを測定する(測定できる)場合とそうでない場合の2つにわけて説明します。
まず、コンバージョンがとれる場合の有効キーワードは「目的を達成できるキーワード」、つまりコンバージョンがあがりやすいキーワードとなります。
コンバージョン率の高いキーワードから探す
第一に行いたいのが、キーワードとコンバージョンの関係を精査することです。スポンサードサーチを掲載した全期間のデータを出し、キーワードごとのコンバージョン数を調べましょう。
筆者の経験では、ある程度以上の数のキーワード(100語以上など)を掲載している広告グループでは、上位10~20%のキーワードにはコンバージョンがつくが、それ以外のキーワードではコンバージョンがないことがほとんどです。
広告費とコンバージョンのバランスに関しては、1回のコンバージョンに対していくらまでの広告費ならペイするのか、新規顧客一人の獲得にいくら使えるのかなどから考えるのが望ましいのですが、難しい場合も多いようです。
このような場合、筆者は「100件のクリックに対するコンバージョン数が1件に満たないキーワードは停止してしまって下さい」とアドバイスしています。
数ヶ月間広告を掲載してみた結果、100クリックに対してコンバージョンが1件以下ということは、コンバージョン率が1%を切っているということ。経験上、コンバージョン率が1%を切るようなキーワードは費用対効果が合わない場合が多いです。特に、コンバージョンがあがっているキーワードについて見直しをしようと考えている場合は、コンバージョン率1%以下のキーワードは停止してしまって問題ないでしょう。
アシストがついているキーワードから探す
スポンサードサーチの管理画面を見るとコンバージョンの隣に「アシスト」という項目があります。意外と知られていないのですが、これはとても重要な指標です。
「アシスト」と聞いて最初に思い出すのはサッカーではないでしょうか。サッカーではシュートを決めた人が受けたパスをアシストといいます。
スポンサードサーチでは、クリック直後の訪問がコンバージョンにはならなかったものの、その後、別のキーワードからの訪問がコンバージョンに結びついた場合がアシストとしてカウントされます。(コンバージョンがあがったキーワードにコンバージョンが1つき、そのきっかけとなったキーワードにはアシストが1つきます)
たとえば、キーワードAで検索してサイトを訪れたユーザーが、その後別のタイミングでキーワードBとキーワードCで検索を行い、キーワードCでの訪問のときにコンバージョンに至った場合、キーワーAとキーワードBが「アシスト」のキーワードとなり、それぞれにアシスト数がカウントされます。
クリック数に対しての効率が良ければ、アシストが付いているのは有効なキーワードです。
スポンサードサーチを続けていると、コンバージョンはないが、やたらとアシストが付くキーワードというのが出てくることがあります。予算との兼ね合いもありますが、50クリックにつき1件のアシストが付いているようなキーワードは、有望だと考えられます。