米調査会社TNSメディア・インテリジェンスが、現地時間の1月8日に発表した資料によると、2007年の米国の総広告費は2.6%増加して153億ドルに達する見込みで、2006年の3.8%に続く低い水準となっている。
業界別に見ると、大手携帯キャリアのCingularやAT&Tをはじめとする通信事業者や製薬会社は積極的に広告費を投じるものの、自動車や旅行業界などの伸びがいまひとつなため、広告費全体は微増といったところ。
その内訳を見ると、一般誌のシェアが17.9%と最も高く、新聞が17.7%、テレビが15.2%と続く。しかし、前年比で見ると、雑誌以外は現状維持かマイナス成長がやっとというところ。特に新聞広告からネット広告への移行が顕著で、新聞社は本業で失った広告費をネットで取り返すような格好になっている。
一方、ネット広告のシェアは7.2%ながら、前年比では13.4%の増加と最も高い成長が見込まれている。オリンピックと選挙というビッグイベントが行われる2008年へ向けて、新旧メディアがしのぎを削る1年になりそうだ。
プレスリリース:"TNS Media Intelligence Forecasts 2.6 Percent Increase in U.S. Advertising Spending for 2007"