SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

湯川鶴章の先端ネットマーケティング通信

キーワード広告を超える?新広告手法「ウィジェット広告」


 検索連動型広告を超える可能性のある広告手法として、ウィジェットと呼ばれる手軽なアプリケーションが注目されている。宮崎で行なわれたInfinity Venture Summitには、ウィジェット提供サービスを展開する、米RockYou社が登場した。【連載バックナンバー】

「ネットらしい広告」はこれから登場する

 検索キーワードに関連した広告だから効果が高いと認知されたキーワード広告。待ちに待ったインターネットらしい広告と絶賛され、効果が広く認知されたからこそGoogleは世界一のネット企業の座をつかんだ。しかしキーワード広告の登場は「ネットらしい広告」時代のほんの序の口であり、これからより多くの「ネットらしい広告」が登場してくると考えていることは「次世代マーケティングプラットフォーム」に書いた通りだ。

 キーワード広告を超える広告の新形態は恐らくソーシャルメディアの領域から生まれてくるのだろうとは予測していたのだが、Infinity Venture Summitにスピーカーとして登壇した米RockYouによると、FacebookなどのSNSの中で展開するウィジェットを使った広告がキーワード広告以上の効果を出し始めたという。ターゲティングとクチコミ効果が相乗効果を起こすため、特定のノウハウを使えば広告のクリック率が30%に達するという。

 米RockYouは、Facebook、Myspace、Ning、Friendsterなどの代表的SNSにウィジェットと呼ばれるブログパーツのようなプログラムを提供する会社。RockYouの提供するウィジェットは、こうした代表的SNSのどこでもトップ10に入るほどの人気のあるものが多い。すべてのSNS上のRockYouのウィジェットのアクセス数を統合すると、月間1億800万人のユニークビジター、月20億ページビューにも上る。この数字は、大手ポータルなどの主要サイトと同等の規模になっている。

 具体的にどのようなウィジェットを提供しているのか、幾つか見てみよう。

人とのつながりで広がるアプリケーション

 likenessというウィジェットは、質問に答えることで友人との相性を判断するテストだ。例えば「休日に何をしますか」という質問に対し「テレビを見る」「ゲームをする」などの10個の選択肢の中から、あなたがしたいことを順番に選んでいくような仕組みになっている。友人の中で同じウィジェットを自分のページに取り込んでいて、同じ質問に答えた人がいれば、ウィジェットがその人との相性を数値化し表示してくれる。恋人探しのきっかけになることから人気の高いウィジェットで、Facebookの人気ウィジェットのトップ10に常に入っているという。

 Speedracerは、バーチャルの車を作り、友達とレースで競うというゲームのウィジェット。レースで勝てばポイントを手に入れることができる。自分の車を好きなようにカスタマイズできるが、カスタマイズするにはポイントが必要になる。Pieces of Flairは、おもしろいフレーズが書かれたバッジや自分の信念が書かれたバッジを友人に送ることができるというもの。友人はそれを収集し、自分のページに張りつけることができる。

 こうしたウィジェットは、人とのつながりをベースに利用が広がることからソーシャルアプリケーションと呼ばれている。

キーワード広告を超える効果

 RockYouの最高技術責任者Jia Shen氏(写真右)によると、ソーシャルアプリ上の広告はGoogleのキーワード広告を超える効果があると言う。

 Googleのキーワード広告の効果が高いのは、検索キーワードに関連した広告や、ページ内のコンテンツにマッチした広告を表示するから。検索キーワードやコンテンツをベースに、ターゲティングされた広告が表示されるからだ。ところがGoogleのキーワード広告ではクチコミ効果はそれほど期待できない。ターゲットされたユーザー本人にはほぼ確実に届くのだが、その効果が周りのユーザーに広がることはあまりない。

 一方でSNSは、人のつながりがベースになっているのでクチコミが起こりやすい環境ではあるのだが、広告はターゲティングされていないので、クリック率が非常に低い。GoogleはMyspaceの広告配信を担当しており、MicrosoftはFacebookの広告配信を担当しているが、「それほど高い効果は出ていない」(Shen氏)という。Shen氏は「ソーシャルアプリは、ターゲティングとクチコミの双方の長所を取り入れているので広告の効果が高い」と指摘する。

 例えばジョニー・デップの最新主演映画の広告を展開する際に、単にバナー広告を表示するのではなくlikenessのウィジエットを使って、「ジョニー・デップの過去の出演映画のうちどれが好きですか」という質問をした。バナー広告を表示しただけではクリック率が0.01%しかなかったのが、ウィジェットと同時に展開した場合はクリック率が0.65%に跳ね上がったという。

この続きは湯川氏のブログでお読みください!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
湯川鶴章の先端ネットマーケティング通信連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

湯川 鶴章(ユカワ ツルアキ)

米国放浪中に新聞少年のような仕事につき、気がつけば報道の世界に入っていた変り種。シリコンバレーの黎明期からIT産業を中心に取材をし、2000年5月に帰国。現在、時事通信社編集委員。それでもってブロガーであり、ポッドキャスター。性格は極めて優柔不断だが、結構まじめ。謙虚だが思い上がるところもある。主な著書に「爆発する...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2008/11/21 12:09 https://markezine.jp/article/detail/5934

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング