アクセス解析ツールは“目的”で選ぶ
前回まで、アクセス解析で解析可能な項目について、どのような仕組みで解析されているのか、またアクセス解析にはどのような制約や特徴があるのか、といったことを解説してきました。
今回はちょっと視点を変えて、アクセス解析サービス/ツールの選択時に、考慮すべきアクセス解析サービス/ツールの「種類」とその「特長」を、技術的視点を交えて見ていくことにしましょう。
まずアクセス解析サービス/ツールの種類は、大きく分けて以下の2つに分類できます。
- サーバに記録されたアクセスログを解析するタイプ
- ページに解析用のタグを埋め込むタイプ
この2つには、取得可能な情報や性格に大きな違いがあり、あなたの目的に応じてどちらかを選択する必要があります。アクセス解析ツールを選択する際には、どちらが自分の目的に合っているか、ということを見極めることがとても重要なのです。
2つのタイプだけ覚えればO.K.
両者の違いを説明する前にそれぞれ紹介しておきましょう。
まず「サーバに記録されたアクセスログを解析するタイプ」ですが、こちらは文字通り、Webサーバがアクセスのたびに記録するアクセスログファイルを読み込み、それを解析するツールです。Webページへのアクセスの仕組みは第1回で解説しましたが、Webサーバはクライアントからのアクセスがあるたびに、それを「ログ」としてファイルに記録するのです。
実際にはアクセスを記録することは、Webサーバの機能として必須ではありませんが、第1回で述べたようにアクセスログは、あとからサーバの問題点やトラブル解決のための重要な手がかりとなるので、ほとんどのサーバにおいて記録されます。
例えば、「Analog」や「AWStats」などの無料で利用できるアクセス解析ツールや、「ClickTracks」などのパッケージソフトがこのタイプに当たります。
次にもう1つの「ページに解析用のタグを埋め込むタイプ」を説明しましょう。これは解析を行いたいページの中に、直接JavaScriptを埋め込み、アクセスがあるとそのJavaScriptが実行されて、そのアクセスに関する情報がアクセス解析用のサーバに送られるものです。
例えばGoogle Analyticsや、Infoseekのアクセス解析サービスなどがこれに当たります。
さて、それでは両者には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。