画像単位で、アクセス数が分かる!
「サーバに記録されたアクセスログを解析するタイプ」のアクセス解析ツールの特徴は、ログに記録されたWebサイトへのアクセスを、とにかくすべて記録できてしまう点です。
Webサーバへのアクセスは、ページのHTMLファイルへのアクセスだけではありません。例えば画像ファイルであったり、JavaScriptやCSSファイルなど、1つのページは複数のファイルから構成されている場合が多いのですが、それらのアクセスはすべて別々にログに記録されるようになっています。
そしてアクセスログを直接解析すれば、それらすべてをチェックすることができますから、それぞれのデータを独立して解析することが可能なのです。つまり「どのページがどれくらいアクセスがあったのか」ということだけでなく、それぞれの画像単位で、どれくらい読み込まれたかといったことも解析できるのです。
またそれ以外にも、Webサイトでエラーが発生した場合は、エラーの発生が記録されますし、リンク切れなどのために発生する、存在しないページへのアクセス(これもエラーの一種ですが)も記録されているので、これらの解析も可能です。
例えば誤ってページ内にリンク切れが発生していた場合に、これにアクセスしてしまった人が何人いたかとか、Webページに使われているプログラムがエラーを発生させていて、そのために何回分のアクセスが正しくページを表示できず、どれだけの機会損失が生じたのか、といったことも分かるのです。
ただし解析可能な情報は、アクセスログに書き込まれた情報だけになります。第1回でも述べましたが、アクセスログはそもそもアクセスを記録して、後からそれをチェックするためのものです。したがって、それを解析することは、アクセス解析の手法としてはもっとも正しいと言うことができます。
しかし、アクセスログはもともとサーバの管理や、安定運用などを目的としたものであるため、例えばサーバへの攻撃の記録や、エラーの頻度など、どちらかといえばサーバ管理者やエンジニアよりの情報が主に取得しやすくなっています。
一方で、アクセスに来た人がどのページにどれくらい滞在し、どのようなリンクをたどって、何ページくらいにアクセスしたのか、といった個々の利用者の行動に関する解析は苦手です。なぜならWebへのアクセスが、そもそも1回1回独立していて、「どれとどれが同じアクセスなのか」が分からない仕組みになっているからです。
もちろん、これまでに説明してきた個々のアクセスのIPアドレスやリファラー情報、ユーザーエージェント情報から、ある程度の類推は可能で、実際にそうした解析を行ってくれる解析ツールもあります。しかし、ある程度の類推が入ってしまうのは事実なのです。