特電法改正で具体的に何が変わるか
PCだけでなくモバイルと、ますます活用範囲が広がっているメールマーケティングだが、だからこそ今後は適正な運用が求められるとも、北村氏は言及する。
「2008年11月、総務省や警察庁、配信ベンダーなど業界関係者が集まり『迷惑メール対策推進協議会』が発足し、12月には「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(以下、特電法)も改正されました。いずれも、迷惑メールの撲滅を目指しています。こうした状況下において、法に抵触しないのはもちろん、安全かつ受信者にネガティブな印象を与えない運用が責務になっています」
特電法の改正における重要な点として、「オプトアウト方式」から「オプトイン方式」への移行が挙げられる。オプトイン方式とは、事前の同意なしに広告宣伝メールを配信することを原則的に禁じたもの。これに付随して、メールの送信者側は受信者との間の同意記録も保持しなければならなくなった。無用なクレームを防ぐためにも有効だからだ。
「送信者側の名称などをメールに表示する義務も生じています。たとえ同意をもらっていても、必ず送信者を明記してメールを送らなくてはいけません。これまで以上に、メール広告の運用に細心の注意を払う必要があります」
この他にも、改正特電法に付属するガイドラインでは、同意を取る際、利用者が空メールを送信するだけで会員登録できる「シングル・オプトイン」ではなく、空メールの送信後に送られてくる会員登録フォームへのURLにアクセスし、改めてフォームから登録を行う「ダブル・オプトイン」を推奨している。
「シングル・オプトインだと、他人のメールアドレスを偽装して会員登録ができますが、ダブル・オプトインだと、本人にしか登録はできず、サービス提供者としても積極的に同意を得られたということになります。法律には定められていませんが、企業イメージにプラスに働くという観点からも、極力こういったベストプラクティスで運用していく姿勢が必要でしょうね」
前述のようにモバイルメールは個人間のコミュニケーション手段。プライベートに割り込む形となるメール広告は、一歩間違うと悪印象を与えかねない。
- オプトイン方式の導入(ダブル・オプトインを推奨)
- 同意記録の保持
- 送信者の明記