自動車会社の建物の中でアニメーションを制作するという異色の組み合わせは、2006年にスタジオジブリの鈴木プロデューサーをはじめとするスタッフが、トヨタ本社にあるパーソナルモビリティ「i-REAL」の開発現場に感動したのがきっかけ。
「i-REAL」は、フロント2輪・リヤ1輪の3輪構成で、走行する1人乗りの乗り物で、近い将来の実用化に向けて開発が行われている製品。コンピュータが並んだクリーンな環境ではなく、意外にも町工場のような開発現場に感銘を受けた鈴木氏が宮崎監督にその様子を伝えると、監督は「そんな環境で新人の育成ができたら」と考えたいう。そして、2007年12月に無理を承知で西ジブリの構想をトヨタに伝えたところ、肯定的な返事を得ることができ、今回のスタジオ開設が実現した。
新しいスタジオは、愛知県豊田市にあるトヨタ本社内に建物の一部屋を借りるかたちで2年間限定で開設される。スタジオには、新人アニメーターと 指導者的立場のアニメーター約30名が常駐し、アニメーターの育成と三鷹の森ジブリ美術館で上映する短編映画の制作を目指す。
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