WOMマーケティング協議会設立準備会
サイバー・バズ社の発表では、最後に「弊社はWOMマーケティング協議会設立準備会にも参画しており、今後ともWOMマーケティング市場の健全な発展に向けて鋭意努めてまいります」とあり、たしかに同社の宮﨑社長はWOMマーケティング協議会設立準備会の世話人を務めています。
こうしたこともあり、WOMマーケティング協議会設立準備会に対してコメントを求める声が増えていきます。
WOMマーケティング協議会設立準備会は「市場の健全な育成と情報共有、啓発を目的とする業界団体の設立を目指して発足」したと謳っており、組織としてコメントを発表してほしいとぼくも思ったのですが、世話人の方々によれば「協議会はまだ設立されてないので代表者がいない」と明確なコメントはありませんでした。
そもそも「CyberBuzz」というサービスは(サイバー・バズ社は否定したけど)ペイパーポストなのかどうか、そのあたりの見解についても「ペイパーポストの定義は曖昧で難しい」と奥歯に物が挟まったような物言いばかりでした。ただ「個人的」と前置きをしながらも、多くの世話人の方々が自らの意見を表明されたことは素晴らしいと思っています。
ペイパーポストの定義
ペイパーポストの定義は簡単です。そのまま「記事の投稿に対して、報酬を払う」ことがペイパーポストなのです。それだけ。
そこにクライアント名の開示がどうとか、関係ないのです。クライアント名を開示することが大事じゃないということではなく、それはペイパーポストの定義には関係ないし、そもそも開示しないことはステルスマーケティングなので、倫理面から批判の対象になります。
またペイパーポストを「雑誌の記事広告と同じ」と説明する方が多いのですが、これは正しくありません。雑誌の記事広告では発売前に(つまり、その内容が世間に公開される前に)広告主による事前確認があります。広告である以上、広告主はお金を払う対価として「掲載枠の保証」と「メッセージのコントロール」を手にすることができます。自分が掲載したいところに、自分が把握している内容を表示することが、広告たり得る条件なのです。
(予想される反論に備えて)少しだけ補足をすると、たとえばテレビCMには「スポット」と「タイム」があり、いわゆる番組スポンサー枠であるタイムCMではない、スポットCMのほうは広告費を安くする代わりに空き枠に流すという契約ができるので、掲載枠が必ずしも指定できるわけではないのですが、それでもCMそのものは自分たちで納品したものであり、「何が流れるかわからない」ということはあり得ません。
雑誌の記事広告に限らず、広告である以上はそこに掲載される情報を広告主が事後確認するというのはあり得ないのですが、この手の知識をよく知らない方が多いのも、混乱を招く原因になっているような気がします。薬事法についても無理解な代理店が多いですしね。外野の戯れ言ですが、WOMマーケティング協議会設立準備会はもっと旧来のメディアや広告代理店の関係者を招き入れて、最低限の約束事について学ぶべきだと思います。