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河野武のセカンドオピニオン

ペイパーポスト問題の本質は「消費者を欺くこと」


誰のためのマーケティングか

 ぼくも営業を受けたことがあるのですが、これまでペイパーポストを扱っている代理店は「SEOに効果がある」と売り込んでいました。さすがに今後はそのセールストークは使えないわけですが、実際Googleが有料リンク(ペイドリンク)に対して厳しい措置を執ることは、2007年末にはわかっていたことです。

 それにも関わらず今回の騒動に至るまで黙殺してきたわけです。クライアントへのリスクを説明するどころか、適当にごまかして売ってきた彼らのビジネスのあり方こそ倫理観が問われるべきです。

 ブログが普及し、検索結果を経由しての閲覧も含めれば、相当数のネットユーザーがブログを目にするようになったいま、ブロガーと繋がりたいという企業側の気持ちはよくわかります。でもお金ではクチコミは買えないし、そんなものを営業してくる代理店とは付き合うべきではありません。

 痛い目を見るのは彼らではなく、クライアントであるあなたの会社なのです。大事に育ててきたブランドが傷つくのはあなたの会社です。周囲から倫理が問われるのもあなたの会社です。

 今回のペイパーポストの問題で、結果的にそれを取り扱う代理店のモラルの低さが露見したことはよいことだと思います。こっそり規約を書き換えちゃう会社や、社長自らステルスマーケティングをやってる会社など、危険な会社がいくつかはっきりしました。もっともまだまだ氷山の一角に過ぎませんけど。この手の代理店とは付き合わないことをオススメします。

 マーケティングはあなたの会社が、あなたの顧客と、繋がり続けるための大事な手段であり考え方です。「わからないから代理店に任せる」ではなく、わからないのなら「わかるまで手を出さない」くらいの気持ちでいてください。そしてわかるための努力をしましょう。

 少し検索すればそのへんの代理店よりもよほど詳しいブロガーがいます。彼らはセミナーを開いたりはしないけど、情報を常に追いかけて、クリップし、コメントしています。連絡先が公開されていれば、直接質問するのもいいでしょう。真剣に相談すれば、彼らはきっとチカラになってくれます。

 MarkeZineにあるすべての記事が参考になるかはわかりませんが、ぼくももうちょっとがんばって、みなさんの役に立つ記事を書こうと思います。

本記事で取り上げた、WOMマーケティング協議会設立準備会とぼくは無関係ですし、いまのところ今後も関わるつもりはありません。
WOMマーケティング協議会|smashmedia


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この記事の著者

河野 武(コウノ タケシ)

1974年7月3日生まれ。立命館大学経済学部卒。コミュニケーション・デザイナー。マーケター。企画屋。
1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知ら...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/03/03 11:39 https://markezine.jp/article/detail/6738

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