ビデオリサーチが発表した3月24日決勝当日の視聴率は、放送開始の9時55分から上昇を続け、19.7%から36.4%、そして勝利の瞬間には37.6%に達した。しかし、この数字を聞いて「思ったよりも少ないな」と感じた人もいるかもしれない。平日の昼間という条件を差し引いても、心情的には「50%くらいいってるのでは?」と思うほど、今回の試合に対する注目度は高かった。
これまでのスポーツ中継の視聴率では、2008年12月に行われた国際試合「FIFAクラブワールドカップジャパン」の決勝は、夜7時以降に中継が始まり、視聴率は12.8%。今年1月の2日と3日に行われた「箱根駅伝」では、26.5%、27.5%となっている。平日の昼間という条件のなかで、WBC決勝がたたき出した視聴率はかなり高いものと言えそうだ。(視聴率はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区データ)
ビデオリサーチの調査はテレビ所有世帯を対象としたものだが、平日の昼間で仕事をしていた人もさまざまな方法でこの試合に注目していた。職場や店のテレビで見た人、携帯のワンセグを見た人、チューナー付きのパソコンで見た人、さらにはヤフーの「一球速報」のように、テキストで一球一球を見守った人も多いはず。
MarkeZine編集部でも、仕事そっちのけで、ワンセグあるいはネットでのテキスト中継で“観戦”していた人が多く、テキストが更新され、カウントが表示されるたびに一喜一憂していた。その興奮と注目度は、テレビ中継での観戦に勝るとも劣らない。その意味では、今回のWBC決勝の“視聴率”ならぬ”注目率”は、37.6%を超えるものであり、今後はこうした視聴や観戦形態に対応した調査手法も重要になりそうだ。
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