コミュニケーション・スキームの作成
顧客が何を期待し、何に不満を抱いているかを知ることが、自社のマーケティング戦略を考える第一歩であることは、すでに解説したとおりです。ここからはそうした現状把握にもとづいて、「どうすれば組織が顧客の期待に応え、顧客の不満を解消することができるか」を考え、実行プランを立てるフェーズ3「顧客要求の明示、ポジショニングのためのコミュニケーション・スキームの作成」に入ります。
マーケティングが顧客の期待に応え、不満を取り除く方法としては、大きく分けて「商品やサービスそのものの改善」と「顧客とのコミュニケーションの改善」の2つの方法があると思います。ここではWebマーケティングに焦点を絞って、コミュニケーション側面の改善のみをお話します(もちろん、Webそのものが商品・サービスである企業も存在しますが、ここでは触れません)。
顧客のニーズや利用状況に関する期待や不満が明確にできれば、自社の提供する価値と顧客の認識とのギャップをいかにして埋めていくかというコミュニケーション・スキームの作成が可能になります。下図は、先ほどと同様に架空のビジネススクールを想定して、自社の提供するベネフィットと顧客のニーズをどのようにつなげるコミュニケーションを行えばよいかを整理したコミュニケーション・スキームの一例です。
自社のベネフィットをどのような形で訴求していけば、顧客が自分にぴったりの商品・サービスだと認識・理解できるのか。コミュニケーション・スキームはWebマーケティングを実施する上で必要なコミュニケーションの要素を明確にしてくれます。このプロセスを経ることで、自社のWebサイトにどんなコンテンツや機能が必要か、外部のサイトやマスメディアを使ってどんなコミュニケーションを行えばよいかが見えてくるはずです。