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Webマーケティングも「顧客理解」から

顧客視点でのコンセプトの開発

 さて、ここまでくればWebマーケティングの上流工程も大分見晴らしがよくなってきたはずです。顧客がいま何を期待し、何に不満を感じているかを把握した上で、適切なコミュニケーションを行うためのコミュニケーション・スキームを作成しました。次は、この青写真をより具体的な形にしていく作業、フェーズ4「顧客視点でのコンセプトの開発」です。

 しかし、この段階でもうひとつ落とし穴があります。それは具体的なWebマーケティング・プランをデザインする際のコンセプトがあいまいなものであると、実施されるプランが顧客・ユーザーには理解できないものになるということです。

あいまいなコンセプトが生み出す悲劇

 たとえば、Webサイトの設計を行う際にこうした失敗をよく見かけます。顧客やユーザーの要求をいろいろ取り込んでみたのはいいけれど、できたものがとても一言では言い表せないようなとりとめのないものになってしまうといった場合です。こうしたことはWebサイトに限らず通常の商品開発などでも起こりがちなものでしょう。ユーザーにとって便利だろうと思える機能をたくさん詰め込んだあげく、それが携帯電話なのか、携帯音楽プレイヤーなのか、カメラなのかわからなくなるということは容易に想像できます。

 きちんと顧客理解を行ったにもかかわらず、そうした悲劇のデザインが生まれてしまうのは、デザイン・コンセプトが明確さを欠いているからです。コンセプトがあいまいなら、そこから生まれるものもあいまいです。あいまいなコンセプトから生み出されるWebサイトは使いづらかったり、最悪の場合は使えないものだったりします。また、コンセプトのあいまいさは、サイトのアイデンティティを崩壊させ、ユーザーの記憶に残りにくくします。

コンセプトがあいまいなら、そこから生まれるものもあいまいになる。

 コンセプト開発にあたっては、先のコミュニケーション・スキームをもう一歩洗練させた形でわかりやすくすることが必要です。そのためには各要素に優先順位をつけたり、適切なキーワードの抽出やイメージ画像を利用したりすることで、自分たちが顧客とのコミュニケーションのために何をデザインしようとしているのかが具体的にイメージできるような作業が必要になるでしょう。

 このあたりのコンセプトから具体的なWebサイト・デザインの落とし込みに関しては、矢野絵美さんの「ユーザービリティでまず何を考えるべきか」という記事に詳しいので、そちらもあわせて参照していただければと思います。

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マーケティング・コミュニケーションの具体的なプランニング

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この記事の著者

棚橋 弘季(タナハシ ヒロキ)

芝浦工業大学工学部(建築学専攻)卒。マーケティング・リサーチ、Web開発等の仕事を経て2003年より株式会社ミツエーリンクスに。現在はWebを使ったマーケティングに関する企画や自社サービスの開発に従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/03/26 16:30 https://markezine.jp/article/detail/860

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