Step 2への下準備:“リード”する上での着眼点をどう持つか
ここまでの「現状をリアルタイムで正確に把握する」という最初のハードルは、環境さえ整っていれば、あとは心掛け次第で誰にでもクリアできる。これだけでも、広告代理店の見る目が変わり、より本気に向き合ってもらえるようになるはずだ。
問題は次の“リード”することができるようになるところ。リードするためには「改善のアイデア」が必要になるものの、誰にでも簡単に見つかるものではない。
では、アイデアを浮かびやすくするためのヒントはないのだろうか。
そこで、サイトの広告効果を改善するプロジェクトで多数の実績を残し、広告効果測定システム『WebAntenna(ウェブアンテナ)』の開発元でもある、ビービットの中島克彦取締役(写真左)に助言を求めに伺ってみると、「手を加えられるページにフォーカスして、かつ成果に直結する指標に絞り込んで考えていくべきです」と指針を示してくれた。
つまり、日々の業務に追われているWeb担当者にとって、サイトの遷移やエントリーフォームに手を入れるほどの余裕は残っていないことがほとんど。改修対象はランディングページなどに絞り、一貫したユーザーの流れ(=シナリオ)を経路別に評価していくだけでも十分な「改善のアイデア」を得られると言うのだ。
Step 2:改善ポイントは「シナリオの評価」と「接触履歴の把握」
それでは、「シナリオを経路別に評価」とはどのように進めていけば良いのだろうか。シナリオの評価とは、流入経路別にユーザーニーズの違いを推測し、ニーズを満たせる導線・コンテンツを用意できているかと評価していくこと。
シナリオ評価に関する具体的な手順は、中島氏のMarkeZine Day 2009での講演『PDCAが回らないのはなぜ?間違いだらけの運用改善を正す』で解説しているのでここでは割愛させてもらうが、ただ1点、シナリオ評価の中でも特に再来訪ユーザーを確実に捕まえるため、接触履歴を把握することに気を配ってもらいたい。
「広告で1回接触しただけでコンバージョンしていることは少なくて、その前にいろんな形で広告に接触していることがよくあります。コンバージョン直前の広告だけを評価するのではなく、コンバージョンをアシストした広告も評価することが重要です」(中島氏)
シナリオを評価する時間軸も長めに取り、ユーザーがどのような道のりを経てここまでたどり着いたのかと考えること。そうすることで初めて「改善のアイデア」が浮かび、広告効果を改善できた事例が幾つもあると言う。
【参考情報】
直接効果だけでなく、間接効果も見ることで広告費用対効果の向上を図ることが可能です。間接効果の分析も可能な広告効果測定システム『WebAntenna』に興味のある方はビービット社のサイトをご確認ください。