「Web解析」の本質を探る
「うちのサイトはWeb解析やってます」。さて、この言葉が意味するところは何だろうか?
Google Analytics(グーグル・アナリティクス)のタグが入っているということだろうか。それともデータを定点的に確認していることだろうか。実はWeb解析やアクセス解析という言葉は非常に広く、曖昧な意味で使われていることが多い。それゆえにそのゴールも明確に定まっていないことが多く、結果として「うまくいかない」となるのである。
そこで事の本質を探るため「Web解析」というものを分解して考えてみたいと思う。結論から言えばWeb解析は「導入」「分析」「アクション」の3つのステップから構成される。この点さえ理解してしまえばWeb解析恐れるに足らずではあるが、一方でそう捉えずにWeb解析を一括りで考えてしまうと、どこかでつまづくことになる。
各ステップを順番に確認しておこう。
導入:データ計測可能な状態を作る
まず最初に行うのが導入。これは各種解析ツールを使ってデータ計測可能な状態を作る作業である。Google AnalyticsやOmniture SiteCatalyst(オムニチュアサイトカタリスト)で言えば計測用JavaScriptタグの各ページへの埋め込み作業がこれに該当し、ログファイル形式、パケットキャプチャ形式のツールの場合は、ツールやネットワークの初期設定を行いデータの計測を可能とする作業である。
分析:データを集計・加工し、そこにある意味を読み取る
次に行うのが分析。これは解析ツールで集計可能となったデータを、そこから意味が読み取れる形へと加工する作業である。現在の解析ツールは標準の機能として多くのレポート形式が用意されており、それをそのまま使うだけでも相応の状況把握が可能となっている。
ただし、そこから次に起こすべきアクションがすぐに見て取れるかというと、そう簡単にはいかないのが現実だ。次に起こすべきアクションを決定するためには、やはりさまざまな観点でデータの集計が必要となる。場合によっては解析ツール以外のデータとの融合・比較が必要となる場合もあるだろう。
アクション:分析結果をもとに、ページに手を加える
最後にくるのがアクション。よもやデータを分析しただけで満足という人はおるまい。Webサイトをよりよくする、あるいはより多くの成果を生めるマーケティング施策を実現していくための、具体的な行動を起こしていくのがこのステップである。
すなわちユーザーに先のページへ進んでもらいたいにも関わらず、意に反して直帰率の高いページがあれば、ページのレイアウト・コンテンツを修正するというアクションが必要となるし、自然流入で成果が挙がっているにも関わらずまだリスティング広告を出稿していないキーワードがあれば、それらの追加出稿というアクションを取ることになろう。