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成果を上げる!広告運用改善シナリオ(AD)

コンバージョンの質を高め、獲得単価を大幅減
「typeの人材紹介」の広告運用改善メソッド

 量だけではなく質の高いコンバージョンを獲得することがマーケティング担当者に求められている。人材紹介サイト「typeの人材紹介」では、広告効果測定システム『WebAntenna』を導入し、同社にマッチする人材の獲得単価を大幅に減らすことに成功。その秘策を聞いた(取材は2009年12月23日に実施)。【バックナンバー】

“量より質”人材紹介サービスが抱えるマーケティングの課題

 「コンバージョン数が多い=善」という常識が当てはまらない業界がある。例えば人材紹介業がその1つだ。

 人材紹介業はWebでのコンバージョンだけではお金にならない。そこからキャリアコンサルタントとの面談をセッティングし、適切な求人を紹介、求人企業での書類・面接選考が通って入社に至り、そこで初めて売上になる。

 自社で求人を持たない業種・職種では、いくら登録者が増えてもお断りしなくてはならない。ただ登録者数を増やしても売上につながらないばかりか、逆に不評の種となりかねないのだ。

 「『この広告は安いです』という提案は要りません。単純なCPAではなく、コンバージョンの質が問題なのです」。「typeの人材紹介」でマーケティングを統括する福永和洋氏(写真左)は、プロモーションを進める上で、広告代理店とゴール地点を共有するところで課題を抱えていたと苦労を明かした。

 typeの人材紹介では、ビービットが開発した広告効果測定ツール「WebAntenna(ウェブアンテナ)」を導入したことで、広告代理店との目的意識の共有が容易になったという。

 広告代理店がリアルタイムに登録者の質までチェックできるようになったことで、PDCAサイクルを速やかに回せるようになり、広告効果の改善につながった。最終的には、ターゲットとする登録者がキャリアコンサルタントとの面談に訪れるまでの獲得単価を3分の1もカット。ほかにも福永氏自身の業務量も削減でき、マーケティングチーム全体での業務効率化にも役立ったのだとか。

 typeの人材紹介がWebAntennaを活用して、どのように売上につながるコンバージョンを費用対効果よく得られるようになっていったのか、その導入事例を見ていこう。

広告運用のゴールを共有/作業時間の大幅短縮にも成功

 福永氏は広告代理店から事業会社側のマーケティング担当者へと転身。獲得単価(CPA:Cost Per Action)ではなく売上高広告比率の最適化を目指そうと、自社のビジネスモデルを広告代理店担当者に伝えようと試みた。だが自身の経験も鑑みて、どんなコンバージョンを求めているのか、本質的に理解してもらうことの難しさを感じていたという。

 「コンバージョンにはすごく敏感になってもらえるんですが、ビジネスの本質をいくら説明してもなかなか理解してもらえませんでした」(福永氏)

 そんな課題を抱えていた福永氏にとって、WebAntennaを導入して最も助かったのは、コンバージョンした登録者の属性データを広告代理店と共有できる機能だ。コンバージョン時に住所・職種などの属性データを紐付けて管理することで、属性データを使って「価値のあるコンバージョン」を定義。管理画面上で獲得状況を広告代理店と共有できるようになった。

単なるコンバージョンではなく、ビジネスゴールに即したコンバージョンを広告代理店と共有
単なるコンバージョンではなく、ビジネスゴールに即したコンバージョンを広告代理店と共有

 「WebAntennaでは属性データ取得のために、コンバージョンタグのパラメーターを20個までセットできます。『コンバージョンの中でもこの条件を満たすコンバージョンしか評価しない』と理解してもらえる文脈で伝えることで、広告代理店には『このコンバージョンなら評価されるんだ』と納得してもらえました。本質的な目標を共有できるようになったので、広告代理店の方からもこちらが求めているのと同じレベルで提案・改善が出てくるようになりましたね

 コンバージョンと登録者の属性を結びつけての広告効果評価は以前から行っていたが、1週間に1回の頻度。WebAntenna導入により、それをリアルタイムに広告代理店と共有できるようになったことが大きく、特に指示しなくても広告代理店側で自主的にPDCAサイクルを回してくれるようになった。

 また、その1週間に1度のレポート作成には、ほかのトピックに関する報告も含め、福永氏が毎週月曜日を丸1日充てて作業していたが、導入後は広告代理店に一部の作業をアウトソーシングできるようにもなった。「毎週月曜日に先週行った一連の業務を振り返り、社内システムと連携させて数字をまとめていました。この業務は、社内システムとの連携が必要となるためWebAntenna導入以前は、広告代理店が踏み込めない領域の業務でした。しかし、導入後は、WebAntennaという共通のプラットフォームで作業できるようになるため、私が直接手を動かす作業を大幅に減らすことができました」。この結果、福永氏の作業時間は従来に比べ、3分の1程度で済むようになったという。

【参考情報】

人材紹介サイトの大手「typeの人材紹介」も採用した広告効果測定システム『WebAntenna』の詳細は、ビービット社サイトに掲載されています。興味のある方はぜひご覧ください。

「アフィリエイト=質が悪い」わけではないと気づいた

 コンバージョン時に属性データを取得できるようになったことで、ターゲットとする登録者の流入経路が明確に分かるようになった。分析を進めていくと、質が高いと思われていたリスティング広告のビッグワードでも、特定の時間帯では非ターゲット層ばかりが登録してきてしまうことや、曜日によって登録者の属性に一定のパターンがあることが明らかになってきた。

 「今までは1週間トータルでしか分析できていませんでしたが、リアルタイムに分析することで、曜日や時間帯による評価もできるようになりました。『今日は獲得が多くて良かった。少なくてダメだった』ではなくて、曜日ごとに傾向を見て対策が打てるようになったのは収穫です」

 一般的に「登録者の質が悪い」というレッテルを貼られ、人材紹介会社などが敬遠しがちなアフィリエイトについても、正しく評価できるようになった。typeの人材紹介では、ターゲットの流入元となるサイトとそうでないサイトを仕分け、非ターゲットを送客してくるサイトとの提携を停止。類似サイトとの新規提携も見送ることでアフィリエイトの質的改善に努めてきた。

 人材業界ではリーマン・ショック以降、質が悪いと言われるアフィリエイトを真っ先に利用停止する企業が相次いだが、typeの人材紹介はアフィリエイトを評価。流れに逆らって利用を継続したという事実がある。

 「サッカーに例えると、コンバージョンをゴールとするならば、その前にセンタリングを上げる人も居れば、センタリングにつながるパスを出す人、そもそもの攻撃の起点になる人も居るわけです。WebAntennaを導入して初めてコンバージョンに至るまでの流れがすべて見えるようになったのですが、コンバージョンに至らなくてもアフィリエイトサイトでtypeの人材紹介を初めて知った人や、コンバージョンの前に訪れたサイトがアフィリエイトサイトだったという人が意外なほど多かったのです

上図のようにゴール(コンバージョン)に至るまでの流れが見えなかったが、
下図のようにWebAntennaによって、ゴールに至るまでの流れが可視化できるようになった
上図のようにゴール(コンバージョン)に至るまでの流れが見えなかったが、下図のようにWebAntennaによって、ゴールに至るまでの流れが可視化できるようになった

 転職を考える人は、すぐに行動に移るわけではない。姉妹サービスの転職情報サイト「@type」では、会員登録後すぐに応募する人の割合はさほどでもなく、半年程度まで期間を広げてようやく応募全体の6割を占めるようになるという。それを踏まえて考えれば、登録者も登録するまでの期間は相当長いはず。

 「『あの時に見たサイトだよな』といつか思ってもらえるように、ニッチなサイトであっても少しでも網を広く張り巡らすためにアフィリエイトを活用しています」と福永氏は他社とは違う路線を選び、継続に決めた理由を明かす。

【参考情報】

人材紹介サイトの大手「typeの人材紹介」も採用した広告効果測定システム『WebAntenna』の詳細は、ビービット社サイトに掲載されています。興味のある方はぜひご覧ください。

ツールベンダー側の都合を優先せずユーザー志向で設計されている

 typeの人材紹介がアフィリエイト利用の継続を判断する材料を提供したのは、WebAntennaのアシスト機能だ。アシスト機能は、コンバージョンに至るまでに貢献した広告・サイトが履歴順にすべて分かるのだが、この機能を導入した広告効果測定ツールは、WebAntennaが初めて。もともと、typeの人材紹介が導入した時には備えていなかった機能だが、今後のバージョンアップ予定として伝えられていたという。

 また、福永氏は広告代理店出身という背景もあり、さまざまな広告効果測定ツールに触れてきたが、アシスト機能以外でも、WebAntennaにはユーザーにとってメリットが高い点を感じていたという。

 「ほかのツールも使っていましたが、ツールの画面設計や使い勝手については、提供者側の都合が優先されてしまっている印象を受けていました。メリット・デメリットがそれぞれにあると感じていましたが、将来への期待感はどのツールからも感じませんでした。WebAntennaは予告どおりにアシスト機能を始めるなど、期待に応えてくれています」と高く評価。また、誰がみても一目で理解できるシンプルな画面構成もポイントだという。

 「他のツールですと、この広告ならこの階層とこの画面構成で、別の広告なら違う階層と違う画面構成でとなっていたりするケースもあるので、何処にいるのか分からなくなったり、操作方法が分からなくなったりする場合があります。しかし、WebAntennaの場合はどの指標を見る場合も、同じアクセスルートになっていて使い勝手も同じなので、違和感がありません

 福永氏はすべての広告媒体を管理しているのですべての画面を見るが、スタッフによっては、リスティングだけ、アフィリエイトだけ、といった個別施策のみ担当しているケースもあるという。その場合、アクセスするのは、基本自分の担当施策のみなので、施策ごとに画面構成が異なると、施策の現状理解が遅くなってしまう場合もあるだろう。WebAntennaであれば、他の画面を見ても画面構成が一緒で違和感を感じないので、理解が促進するとのこと。

WebAntennaの管理画面。詳細は簡易Webデモで体感していただきたい(クリックすると拡大)
WebAntennaの管理画面。詳細は簡易Webデモで体感していただきたい(クリックすると拡大)

 初めてWebAntennaの説明を受けた際に「どんどん成長していく広告効果測定ツール」という印象を受けたという福永氏。「これからもユーザー志向の機能改善を進めていってほしい」と最後にエールを送った。

【参考情報】

人材紹介サイトの大手「typeの人材紹介」も採用した広告効果測定システム『WebAntenna』の詳細は、ビービット社サイトに掲載されています。興味のある方はぜひご覧ください。

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/05/25 20:11 https://markezine.jp/article/detail/9654