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入札権利を買う!新しいオークションサービス「ペニーオークション」の仕組みを全解剖


商品入札の開始

 ペニーオークションでは、運営者側が用意した商品がWeb上に陳列され、ユーザーはポイントを使って入札できるようになっている。

 普通に考えれば、ポイントを使って入札するだけで通常のオークションとイメージは変わらないが、実は商品ごとに設定されている条件にペニーオークションの特殊さがある。

 例えば、ペニーオークションでは上記のような形で商品陳列の終了日時に基づき、逆算された形で終了までの残り時間が表示されているが、この数値は入札に応じて自動的に延長されるようになっている。ペニーオークション提供会社の基準によって「条件」は異なるが、一般的なのは

  • 1入札につき商品価格が5円上昇
  • 1入札につき終了時刻から5秒延長

 といった条件である。

 これを2人のユーザーが先述の条件でペニーオークションに参加したものとして説明してみよう(上図参照)。

 開始価格1円(実売価格1,000円)の商品Aに対して2ユーザーが1回ずつ入札をすると、合計2入札されポイントは2ポイント消費される。ユーザーからすると1ポイント75円で購入をしているので、おのおの75円ずつの消費をしたことになる。

 また、商品Aは1入札につき5円の上昇なので「2入札×5円=10円」の上昇となり、開始価格が1円だったので11円となる。商品価格は11円ではあるが、実質的にユーザーが投下した費用は75円×2=150円というのがキモである。また、ユーザーAとBの合計入札回数が2回となるため、【5秒×2=10秒】が終了日時から延長されることになる。

 一方で、ユーザーによるポイントの消費はペニーオークション運営側の売上となる(ポイント購入時点での売上計上もあると思うが、ここではポイント消費後の売上計上を想定している)。

 上記の例ではユーザー2名によって2ポイントが入札・消費されたので、会計処理上では、

  • 預かり金 150円
  • 売上 150円

 となる。

競争の末落札!”購入できる権利”を獲得!?

 ペニーオークションはオークションと名前がつくだけあり、入札者間での競争が発生する。

 限定的ではあるが、上図のような形でユーザーAとBの間で入札競争が起こり、ABともに10回の入札をしたもののAが11回目の入札を行いBが「場から降りる」とAが最終入札者となり、結果落札が確定する。

 ユーザーAが11回入札したということは、1入札(ワンビット)5円の上昇の条件があるため、商品価格が55円(11入札×5円)アップしたことを意味する。

 また、ユーザーBは10回入札したので、商品価格は50円(10入札×5円)アップすることになり、A、B二者間の入札によって商品価格は開始価格の1円から106円(1円+55円+50円)になり、この金額が落札価格となる。

 さて、ここで気になるのはユーザーAとBが費やした費用だ。

 単純に106円で落札したので106円を支払えばOKというわけではない。ペニーオークションではポイント消費での入札が前提条件となるため、今回のユーザーAとBの投下した費用を見てみると、次のようになるのである。

 (A)11回入札→11ポイント消費

 11ポイント×75円=825円

 (B)10回入札→10ポイント消費

 10ポイント×75円=750円

 -------------------------------------

 費やされた金銭の合計:825円+750円=1,575円

 実売価格1,000円の商品Aに対してユーザーAは11ポイント(825円)を消費し、106円で落札したのでトータルで931円で商品Aを手に入れることができ、市場で通常購入するより安く手に入れることができるわけだ。ただし、ユーザーBは落札できなかったので、ポイントの消費分損失を出すことになる点が通常のネットオークションと異なる部分である。

次のページ
落札後の商品を手に入れるかはユーザー次第

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/08/10 17:55 https://markezine.jp/article/detail/11052

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