あなたへ贈る一言
何をやってほしいかを明確にできないから、代理店を選べないし、
活用もできない。いまのままでは「広告宣伝ダメージャー」です。
代理店に何をやってほしいのか、まずは整理しましょう!
担当者に悪いとかではなく、まず、あなたが会社を代表して、何をすべきか考えてみましょう。代理店選びの前に、代理店に何をやってほしいかを明確にすることが、代理店を選ぶ際に最も重要なことです。
あなたが勤務する日用品メーカーの場合、経営環境は厳しいとものと思われます。大手小売PBに押され、商品力や企業ブランド力が相対的に低下していて、売り場での商品訴求ができなくなっていたりしませんか。売場面積の確保などもままならず、右肩上がり時代のマーケティングでは解決できないような経営課題が多々ありませんか。
私がイオンで働いていた経験から申し上げると、なぜ売れないかという問題や、消費者や消費心理そのものは、データではわかりません。だからこそ、小売業の現場に出て、店舗をたくさん回りましょう。思い切ってお店の方に、どういうものが売れているか聞いてみましょう。今、店頭では、メーカーブランドの商品(ナショナルブランド、略してNB)に、イオンのワオンポイントや、セブンイレブンのポイントなどを付与するキャンペーンを実施しています。NB価格を、PB価格と実質同等にすることで、NBの魅力が増し実質競争力が高まるからです。
そして、あなたの上司が、なぜ「ネットに強い代理店に切り替えろ」と言っているのか、背景を確認してみてください。マス広告からネットにシフトする強い理由があるはずです。もし上司の言葉を額面通りに受け取ってしまうと罠に陥る可能性があります。仮に、小売業との共同販促が最も重要なのであれば、ネットに強い代理店に切り替えるだけでは成功しないと思います。上司の言葉は鵜呑みにせず、なぜ切り替える必要があるのか、深堀してみてください。そこにヒントが隠されています。
今、大手小売業には、中堅メーカーの社員が転職し入社し始めていると聞きます。品質管理や開発部門などで経験を積んできた人材が入社し、小売業はメーカー機能を着実に持ち始めているのです。サプライチェーンを構築し、生産工程の改革を続け、生産性と品質を向上させています。また、商品開発力も向上し、開発パートナーも育っています。例えば、イオンのカレールーは4代目で、以前に比べると味は大幅に向上していると言われています。現在、イオンPBの「トップバリュ」は、すでに4500億円程度の売上があり、中期的にはトップバリュで1兆円を超えるでしょう。現在、10億円以上の売上がある商品は50品目程度ですが、来年には100品目、2013年までに300品目(3000億円以上)にする計画を公表しています。