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広告、マーケティング業界で働くあなたの悩みをズバッ! 青葉哲郎のズビズバ!相談室

日用品メーカー宣伝部勤務、35歳男性からの相談
「代理店を切り替えたいのですが、選定のコツはありますか?」


 凄腕マーケティングコンサルタント、青葉哲郎氏があなたの悩みに鋭いアドバイスを贈るズビスバ!相談室。今回は日用品メーカーの宣伝部に勤務する男性からの相談です。

今回の相談内容
業績が悪く、今まで聖域として扱われていた宣伝/マーケティング予算にメスが入ることになりました。「これからはインターネットだ。よりネットに強い代理店に切り替えろ」と上司から指示が下りてきているのですが、別にいま付き合っている代理店もネットに弱いわけではありません。上司は付き合いが長いので、自分でやりずらいのはわかるのですが、何の考えもなしに切り替えるのは担当者に悪いですし、これからのことも考えてしっかりとした選定基準を持って代理店選びに取り組みたいと思っています。何かアドバイスを頂けますでしょうか。(日用品メーカー勤務、35歳宣伝部マネージャー、男性)

あなたへ贈る一言

今回のズビ!

何をやってほしいかを明確にできないから、代理店を選べないし、
活用もできない。いまのままでは「広告宣伝ダメージャー」です。

代理店に何をやってほしいのか、まずは整理しましょう!

 担当者に悪いとかではなく、まず、あなたが会社を代表して、何をすべきか考えてみましょう。代理店選びの前に、代理店に何をやってほしいかを明確にすることが、代理店を選ぶ際に最も重要なことです。

 あなたが勤務する日用品メーカーの場合、経営環境は厳しいとものと思われます。大手小売PBに押され、商品力や企業ブランド力が相対的に低下していて、売り場での商品訴求ができなくなっていたりしませんか。売場面積の確保などもままならず、右肩上がり時代のマーケティングでは解決できないような経営課題が多々ありませんか。

 私がイオンで働いていた経験から申し上げると、なぜ売れないかという問題や、消費者や消費心理そのものは、データではわかりません。だからこそ、小売業の現場に出て、店舗をたくさん回りましょう。思い切ってお店の方に、どういうものが売れているか聞いてみましょう。今、店頭では、メーカーブランドの商品(ナショナルブランド、略してNB)に、イオンのワオンポイントや、セブンイレブンのポイントなどを付与するキャンペーンを実施しています。NB価格を、PB価格と実質同等にすることで、NBの魅力が増し実質競争力が高まるからです。

 そして、あなたの上司が、なぜ「ネットに強い代理店に切り替えろ」と言っているのか、背景を確認してみてください。マス広告からネットにシフトする強い理由があるはずです。もし上司の言葉を額面通りに受け取ってしまうと罠に陥る可能性があります。仮に、小売業との共同販促が最も重要なのであれば、ネットに強い代理店に切り替えるだけでは成功しないと思います。上司の言葉は鵜呑みにせず、なぜ切り替える必要があるのか、深堀してみてください。そこにヒントが隠されています。

余談

 今、大手小売業には、中堅メーカーの社員が転職し入社し始めていると聞きます。品質管理や開発部門などで経験を積んできた人材が入社し、小売業はメーカー機能を着実に持ち始めているのです。サプライチェーンを構築し、生産工程の改革を続け、生産性と品質を向上させています。また、商品開発力も向上し、開発パートナーも育っています。例えば、イオンのカレールーは4代目で、以前に比べると味は大幅に向上していると言われています。現在、イオンPBの「トップバリュ」は、すでに4500億円程度の売上があり、中期的にはトップバリュで1兆円を超えるでしょう。現在、10億円以上の売上がある商品は50品目程度ですが、来年には100品目、2013年までに300品目(3000億円以上)にする計画を公表しています。

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この記事の著者

青葉 哲郎(アオバ テツオ)

サイコス株式会社 代表取締役
東京都出身。明治大学政治経済学部卒業。1994年4月 ジャスコ (現イオン)入社。1995年マイクロソフト入社。トップセールスを経て、最年少ブランドマネージャに就任。MSN事業開発など担当。2001年インテリジェンス入社。マーケティング部を設立し『はたらくを楽しもう。』で同社を転職ブランド1位に。2008年リクルートエージェント入社。『転職に人間力を。』で新ブランドを立ち上げ、コスト減と広告効果の最適化...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/09/06 10:33 https://markezine.jp/article/detail/11230

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