決め手は「ユーザビリティ」と「データ収集方式」
そういった状況の中、ニッセンは2009年8月にアドビ システムズが提供する、Adobe SiteCatalyst(以下、SiteCatalyst)、Adobe Test&Target, powered by Omniture(以下、Test&Target)の導入を行っている。SiteCatalystを導入する以前も、当然アクセス解析ツールは利用していたが「状況が変化する中、アクセス解析ツールに求めるニーズが変化してきた」(船井氏)という。
結果、SiteCatalystの導入にいたったわけだが、その際ニッセンが重視したポイントは次の2点だ。
- アクセス解析ツールに慣れていないスタッフでもストレスがかからないユーザビリティか
- 目的にあったデータ収集ができるのか
ユーザビリティについて船井氏は次のように語っている。
「これまで利用していたアクセス解析ツールは、データを抽出する方法が複雑でユーザーフレンドリーなものとは言えませんでした。普段ツールを使用しないスタッフでは、トップページのページビューを抽出することさえ一苦労という状況でした。お話した通り、ネット経由での売上が増加している中で、Web部門以外でもアクセスログを見てデータを活用する意識を現場担当者が持つ必要があります。そういった点では、SiteCatalystは従来ツールに比べ、ユーザーフレンド リーなインターフェイスを実現していました」
もう1つのポイントであるデータ収集については「これまでのツールはいわゆる、パケットキャプチャリング方式でデータ収集を行っていました。パケットキャプチャリング方式の場合、本来必要のないデータも収集してしまうので、データ精度を高めるためのクレンジング作業に多く時間を取られてしまいました。また、データ量が膨大となり抽出に時間がかかってしまいます。一方、タグ型(Webビーコン)型の場合は必要な箇所にタグを設置することで、自分たちがほしいデータだけを収集することができます。私たちが知りたいのは“顧客がどういう経路をたどって商品を買ったのか”というデータなので、タグ方式は最適です」とした。
また、同時期に導入したTest&Targetについては、次のような効果を実感しているという。
「Test&Targetを本格的に使いはじめたのは最近なのですが、その効果を実感しています。通販の会社なのでもともとPDCAを回すという意識はあるのですが、ネットの場合はカタログよりも格段に早いサイクルでPDCAを回していく必要があります。Test&Targetを利用すれば、テストの工数が減り作業も効率化ができます。また、テストの工数が減ることで、コスト削減にもつながっています」と教えてくれた。