出稿開始翌日は必ず経過を確認する
出稿開始日は、データの反映に時間がかかったり、あまりにデータが少なすぎたりと、さまざまな観点から検証し辛いものです。しかし、ある程度データが蓄積される翌日は、前日の出稿開始時に立てた“仮説”を“検証”できる大切な日です。
翌日に”検証”すべきことは施策の大枠ではなく、クリック単価と予算消化の状況です。広告文やアカウント自体の検証ではありません。アカウント規模にもよりますが、広告文やアカウント自体の検証をするには、さらに多くのデータが必要となる場合がほとんどです。
まず、クリック単価についてです。自身でクリック単価を設定している場合、入札価格が高すぎるということはまずないと思いますが(誤って1ケタ多く設定してしまったといった話はたまにお聞きします…)、“広告の表示回数が少なすぎる”、“クリック数が少なすぎる”といった点で悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
クリック数が少なすぎるときは、純粋にクリック単価を引き上げることで解決する場合もあります。しかし、キャンペーンの1日の予算が低すぎて、広告露出自体に制限がかかっている場合もあるので注意が必要です。
こうした場合に検証する必要があるのが、予算消化の状況です。Google AdWordsでは、1日の予算の設定が低いために表示されなかった割合を「インプレッション シェア損失率(予算)」という項目で確認できます。

「インプレッション シェア損失率(予算)」を表示させるには、「キャンペーン」の管理画面にある[表示項目]をクリックし、[インプレッション シェア損失率(予算)]にチェックを入れて保存します。
![[表示項目]をクリック](https://mz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11868/11868_06a.gif)
![[インプレッション シェア損失率(予算)]にチェックを入れ保存](https://mz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11868/11868_06b.gif)
例えば、上図赤枠部分を見ると、1日の予算の設定が低いため、「11.73%」もの機会損失を生んでいることが分かります。この場合は、1日の予算の設定を引き上げることで解決するでしょう。
また、インプレッション シェア損失率(予算)が表示されているということは、広告が表示されていなかった時間帯があるということです。それゆえ、特定のキーワードへのクリック単価が高すぎるために、早い段階でクリック数が増加し、予算を消化してしまったという“仮説”も導き出すことができます。
その場合には、クリック単価を安く設定し、インプレッション シェア損失率(予算)の経過がどのように動くかを検証してみてください。ひょっとしたら、想像していたクリック単価よりも安い単価で、より多くのユーザーを呼び込むことができるかもしれません。
まとめ
検索連動型広告は一度入札したら終わり、ということではなく、都度メンテナンスが必要です。特にアカウント開設時や、新しいキーワードに入札を行った場合などは、必ず翌日にどのように推移しているのかを検証してみましょう。
アカウント開設や新しいキーワードを追加することは、新しい“仮説”を導入することと同意であり、それらを”検証”することは非常に重要です。この“仮説”と“検証”の繰り返しこそが、検索連動型広告の最適化には必要不可欠な要素です。