限られたマーケティング予算で効果を最大化するためには
長引く不景気により、マーケティング・コストに求められるROI(投資対効果)は一層シビアになってきています。限られた予算と人員で成果をあげるためには、顧客のニーズを探り、より効果の高い施策を行うことが、企業のマーケティング部門に求められています。そのためには、最も効果的な顧客層に、最も効果的なやり方で、最も効果的な商品を提案する必要があります。それを見つけるヒントはどこにあるのでしょうか?
それは社内外に眠るデータの中にあります。散在するデータを統合・分析することで、これまで見えていなかったものが見えてくるようになるのです。
データ分析を行うための第一歩は、信頼性の高い統合データベースを構築することです。
乱立するデータベースを統合し、信頼性の高い顧客データベースを作る
コミックに登場する化粧品・健康食品の大手通販会社「ライフ&ビーナス」では、カタログ販売と急成長を続けるオンライン販売を主軸に、一部、店頭販売も行っています。既存顧客へのカタログ送付やダイレクトメール送付、雑誌広告などに加え、最近ではWeb広告やメールマガジンなど、さまざまなチャネルを通じた販促活動を行っていました。
このような販売・マーケティング活動を行っていく中で、社内のデータベースには、顧客一人一人に関するさまざまな情報が蓄積されていきます。下記はその一例です。
-
顧客属性
氏名/性別/年齢/地域/興味関心など -
売上情報
購入履歴/金額/購入回数/購入チャネル/支払方法など -
キャンペーン情報
実施キャンペーン内容/反応状況/成約状況など -
Webアクセスログ
Web訪問回数/滞在時間/チェック商品/購入履歴など -
顧客の声情報
アンケート結果/コールセンターへの問合せ/返品情報 など
しかし、ライフ&ビーナス社では事業部門ごと、販売チャネルごとにバラバラでこれらの情報を管理していたため、全顧客の中から効果が期待できる顧客層を抽出してダイレクトメール・キャンペーンを実施しようとしても、データを集める段階で行き詰ってしまいました。
こうした状況は、実は多くの企業が抱えている悩みです。事業部門ごとに別々の顧客データベースを持ち、さらにオンライン販売と店頭では別の販売管理システムを構築しているので、どの顧客が合計でいくら使っているかすぐに分からない。各データベースがそれぞれ独自のデータ構造を持っているため、相互に参照できない。その上、データの中にはWebマーケティングツールごとのレポートファイルやPOSデータ、手打ちのExcelファイルといったものも混ざっているという状態・・・。散在する大量データの扱いに頭を痛めている企業が多いのではないでしょうか。
これは、顧客情報を業務処理上の観点だけで管理しているために起こります。単独のデータは、それ自体は何の役にも立たない眠ったデータでしかありません。
これを分析し「生きたデータ」にするためには、顧客マスターはもちろん、売上データやWebアクセスログデータ、キャンペーン履歴など、関連するすべてのデータを「分析」の観点から一元的に管理できる信頼性の高いデータベースの構築が必要です。
データ分析のための作業の8割は、分析用データの収集・整備にかかると言われています。散在するデータを統合し、統合顧客データベースを構築することで、初めて、顧客を真に理解する「高度な顧客分析」を行うためのデータが整います。
では次に、データを分析することで何ができるのかを見ていきましょう。