PC向きのコンテンツ/TV向きのコンテンツ
古株
で、映像コンテンツの場合、PCで見たほうがいいコンテンツと、テレビで見たほうがいいコンテンツがあります。これはデバイス特性の違いから来るものです。まずPCはインタラクティビティを強制されるデバイス。Yahoo!のトップページを30分ほったらかにしても何にも変化しないでしょ。
四家
電気の無駄ですね。
古株
テレビは、向こうから強制的にコンテンツを送りつけてくるじゃん。受身です。
四家
そうなんですよね。チャンネル変えるくらいしかできない。
古株
だから、自分の見たいシーンとか映像があるところを自分から探しに行って見たい映像は絶対にPCが向いてる。天気予報とかね。
四家
はいはい。そうですね。ケータイ向きでもありますね。
古株
東京から出ないのに、カイロの天気予報、いらないじゃん。
四家
BSニュースで出てきますよね。あれはあれで面白いけど役には立たない。
古株
テレビだと、全国、全世界順番にやるから、早送りボタン押したくなるでしょ。
四家
なります。
古株
インタラクティビティを強制するデバイスがPCだから、ボタン押したくなるコンテンツはPC向き。
四家
だから地デジのインタラクティブな仕掛けが、いまいちぴんと来ないいんですよね。そんなのPCかケータイにやらせればいいのに。
古株
PCで自分が目的意識を持ってるときは、リードタイムは短ければ短いほど良いわけ。ECサイトの購入確認メールが10秒ほどかかったら怒るわけよ。
四家
たった10秒なのに。
古株
もっと、早く返事よこせよ、この店のサーバとろいのか? って思っちゃう。PCってもともとそういう特性を持ったデバイスなの。だって、このチャットも早く返事書けよな、タイピング遅いなぁとか思うときあるでしょ。
四家
そのためにGTalkでは相手がキーボードたたいているときに画面上に「入力中です」と表示されますよね。
古株
そうそう。だから、映像コンテンツで代表的なインタラクティビティを最大限に利用できるのは、ずばりアダルト映像です。
四家
なーるほど。
古株
基本的にどれも同じ内容なので、見たいところだけ見たら目的は達成されるわけですからアダルトは。PCのほうが向いています。頭だしも、メディアを入れ替える必要が無いので、すばやいし。近くに見られたらやばい人がやってきたら、プレイヤーの閉じるボタンを押せば、証拠隠滅だし。
四家
ぶははは。実際アダルトは商売になってるし、そこから発想すればいいわけですね。アダルトコンテンツの特性を応用できないかと。
古株
そうそう。
四家
じゃあ、Joostはアダルトをやるんですかね。
古株
JoostでのP2Pストリームによる、アダルト配信はあるかもしれないけど、クオリティの問題でP2Pダウンロードに負けるだろうし、やらないんじゃないかな。むしろライブが面白いかも。P2Pでライブストリーミングもできる技術あるんですよ。
四家
それは期待大ですね。でもスポーツ中継なんかやろうとしたら、それこそテレビ業界との大喧嘩になりますよね。放送権とかどうなっちゃうのか。
古株
あと面白さだと、ニコニコ動画が一番です。アノテーションが動画とあわせるとあんなコンテンツになるとはもの凄い発見。アノテーションを利用した広告も今後開発されるんじゃないですか。広告主が自社製品の広告アノテーションを用意するとかありそうです。
四家
文字がだーっと被ってくる。アノテーションをみんなでつけちゃえってのも、テレビ見ながら2ちゃんねるで実況やってた人たちの発想ですよね。
古株
それと、こうやってコンテンツがどんどん増えるでしょ。動画コンテンツってのは、教えてあげないと誰も見ない。言い換えると、コンテンツがいくらあっても、これを見ろと言わない限り自主的に見る人はいない。検索して、いきなり動画を見る人はいない。
四家
新聞のラテ欄みたいなものがないと。
古株
ラテ欄は必要です。ブログにYouTube張ってる人がいるけど、あれは見ますよね。あれはね、コメントつきのラテ欄みたいなもんなんですよ。
四家
すみません。面白すぎてすっかり長くなっちゃいました。もう時間やばいですよね。こうしてお話をお伺いしていて思うのは、結局、古株さんの武器はユーザ視点ですね。さっきも言ったけど、ツール使い倒して発見する。僕もとにかくやってみないとわからないたちで、ツール使ってみてから発想するほうなんですが、まだまだ使い込みが足らないと痛感しました。
古株
いや、ただのおやじですから。
四家
といいつつ、会社をあそこまで大きくしている。経営者でありながらツール使い倒して発見する。ここですよね、大切なのは。たぶんJ-Streamが発展して10周年を迎えたことと深く関係しているはずなんです。
古株
ほめないでね。ほんと。照れるし。
四家
また是非お話聞かせてください。本日はどうもありがとうございました。
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