フィギュアスケートに学ぶSEO
ここまで浅田真央を中心とした女子フィギュアスケートの得点の取り方を追ってきた。SEOとの共通点としてすぐに分かるものとしては、まずライバルがいるということ。競合を上回るスコアを得なければ順位は上がらない、1位は取れないということである。ここで言いたいことは、「○○件中 第△位」という表現の「○○件」はまったく無意味ということである。「競技人口が少ないスポーツほどメダルが取りやすい」と言えば、正気か?と疑われるに決まっている。2ページ目以内ということが上位表示の定義であるならば、まずは20位前後のサイトのSEOのレベルがどれほどかが問題なのである。本物ならばキーワード検索の総件数は眼中にないはずだ。つまり実際に競争する相手の成績を上回るかどうかだけである。
次に、証明はされていないが経験上から、個々のオペレーション(技術とマークアップ)に個別に点数がふられ、それぞれ高いものと低いものがあり、減点もあって、全体の総合点で順位が付けられるということである。フィギュア-アルゴ風にプログラムを構成してみるならば、キーワードのマークアップからはじまる。
ページのタイトルには絶対、見出しタグ(h1~h6)、強調系のタグ(strongとem、あるいはbとi)などでできるかぎりキーワードをマークアップする。本文のはじめの200文字あたりも要注意だ。ただし、ただキーワードを意味なく連呼しては減点対象になるだろう。外部からのリンクも、アンカーテキストにキーワードが含まれているか、リンク元のページのタイトルにキーワードが含まれているか、リンクアンカーの前後にもキーワードを含むテキストがあるかどうか、こういったことも採点対象になっていると思った方がいいだろう。
さらなる共通点として、古いアルゴリズムに最適化してきたものは、新しいアルゴリズムに最適化して台頭してきたものには勝てないということである。検索エンジンのアルゴリズム更新によるおなじみの順位変動のことである。そしてフィギュア-アルゴは常にひとつで、旧から新に切り替わるが、サーチ-アルゴは複数ある。よってGoogleアルゴでは上位なのに、Yahoo!アルゴでは圏外ということもありだ。
感触として、ページにキーワードを書くということは、どちらかといえばスピンやステップにあたり、ジャンプにあたるのは外部からのリンクである。そして同一ドメイン、あるいは2~3程度のサイトからおびただしいリンクを稼いでいても、2回転ジャンプ程度だろう。業者クラスでは三桁のドメインから数十万という"テラ"バックリンクなども見受けられ、さしずめ4回転ジャンプと言える。となると、そういったことが物理的・時間的・経済的に不可能な場合は、それこそキム・ヨナのように数少ないリンクの質を高め、ひとつあたりのバックリンクのスコアを上げていくことしかないことになる。あるいは、やはりページ自体の最適化も、レベル4に達しておく必要がありそうだ。
フィギュア-アルゴ最適化の場合は、ISUが可能な限り透明で客観的な採点システムを公開しており、選手はコーチとともに最高の得点が出せるようにプログラムを作りあげ、トレーニングに励み、競技に臨む。検索エンジン最適化の場合は、不透明で想像の域を脱しないアルゴリズムをイメージして試行錯誤しながらオペレーションしていく。何が点になり、何がより効果的で、何をすればペナルティを受けるか、サーチ-アルゴそのものを探りながらの競技である。

なお筆者が運営しているSEO塾では、打つべき手はほとんど打ち、かつ減点になりそうな項目を除外する最短コースとして、キーワードを書くのではなく「トピックを作る」という概念を取り入れたフォーマットを導入している。これも最適化のプログラムである。