きわどくかすってしまった“大予言”
MarkeZine:◎【SEO】ライオン丸の2008年当たらない大予言~今年最悪のシナリオを過剰シミュレートは当たらない大予言のはずが、きわどくかすったようだ。MicrosoftがYahoo! Inc.に買収提案を持ちかけた。ポイントは、Yahoo! Inc.の株価低迷と自力回復が厳しいという市場の判断である。サブプライムローン問題によるアメリカの消費冷え込みと株価下落が誘因となったようだ。 リアルタイムで状況が変化するので断定は難しいが、非常に高い確率でMicrosoftはYahoo! Inc.を買収するはずである。海の向こうの大企業の売った買ったは我々に縁のない話であるが、Yahoo!買収騒動から起こるであろうことを予想して、関係深いことをピックアップしてみる。
予備知識 ~ 検索と広告
【オンライン広告】
「オンライン広告」自体は、バナー広告やメール広告など多様であるが、アメリカおよび世界ではGoogleのシェアが高い。さらにGoogleは地球上のありとあらゆるものをデジタル化=検索可能化にしつつあり、自社・他社が提供するコンテンツを無料で公開すると同時に、連動する広告を表示するというビジネスモデルを完成させている。また検索を中心としたWebアプリケーションも次々と投下しており、ブラウザさえあればGoogleのビジネスが成り立つようなレベルに達している。
【検索連動広告とコンテンツマッチ広告】
オンライン広告の主戦場は、Googleによって検索連動広告とコンテンツマッチ広告になっている。検索連動広告はGoogle:AdWords、Yahoo!:YSM(Yahoo! Search Marketing、旧Overture)、Microsoft:adCenter。コンテンツマッチ広告はGoogle:AdSense、Yahoo!:YPN(Yahoo Publisher Network)、Microsoft:Content Adsであるが、正式稼働はGoogleのAdSenseのみで、Yahoo!もMicrosoftもベータ版である。
検索連動広告は検索エンジンに連動した広告を表示し、コンテンツマッチ広告はコンテンツにマッチした広告を表示する。結局、検索をコアコンピタンスとするGoogleが、戦いのフィールドやルール自体を作ってしまっているので、後発は永遠にアウェーでゲームをさせられているということもできる。そして、ゲーマーの攻撃力は、関連性ある検索やWebページの解析などの技術力となっている。
AdWordsでは、有力メジャーサイトにはバナー広告を出稿できなかった中小企業が広告主となることができ、AdSenseではアフィリエイターがこぞって参加している。そういう意味では、インターネットビジネスの特質であるロングテールにスポットライトが当たって、Googleは21世紀ビジネスの革命者でありネットの盟主となっていると言えるだろう。
【パッケージソフトウェア】
企業向けであれ一般消費者向けであれ、MicrosoftのビジネスモデルはOS(Windows)やビジネスソフト(Microsoft-Office)などのパッケージの販売であり、WindowsやMacOSやUNIXなどを問わずブラウザで繁栄するGoogleのビジネスモデルはMicrosoftを脅かすものである。
【ポータル】
もともと、Webサイトのカタログとしてスタートしており、有象無象のページ検索とは距離があって、コンテンツがそろうという位置付けは今も変わらない。しかしコストをかけながら無料で公開するコンテンツではビジネスにならず、必然的に広告が収益の柱となるわけである。つまりバナーであれ検索連動であれ、広告なくしてYahoo!は存続できないということが言える。(続きを読む)