組織的にソーシャル対策を進めるには、運用ルールと管理ツールが不可欠
冒頭で取り上げた塚本氏の3ステップで考えていくと、それぞれのステップごとにソーシャルメディア対策を実践する上での課題は変化してくる。
第1ステップではとにかくソーシャルでの自社の評判さえ分かればいいが、第2ステップになってくると広告キャンペーンの管理や効果計測もしたくなってくる。そして第3ステップにまで来ると、複数人での運用が前提になってくるため、運用ルールを定めることが必須になる。
先に触れたように、ソーシャルで活動をする以上、炎上のリスクはゼロではない。中小規模の企業ならともかく、世界的なブランドの大企業では、運用ルールも無しに「担当者個人の発言」をノーチェックでソーシャルに流すなんてことは、リスク管理の観点からあり得ない話だ。
「アメリカでは金融業界などの企業でも、ソーシャルに取り組む必要が出てきている状況になっています。そういった企業では定型文で返す事を基準とする運用により、リスク軽減を図っています。CoTweetには定型文という機能がありますが、これはそうした企業をサポートするために開発されたものです。あと、企業から求められているのは承認の機能ですね。オペレーターが回答する内容をマネージャーがチェックしてから流すようにする。これは企業側からの要望が強く、本年度中にはCoTweet に追加される見通しです」と塚本氏。
ソーシャル先進国のアメリカでは、定められたワークフローに従って業務を遂行するための管理ツールが複数出始めているそうだ。第3ステップの「複数人でのカスタマーサポート」に使えるツールとしてCoTweetが圧倒的に支持を集め、既に2万社以上で導入されているのだとか。
ソーシャルメディアをめぐる現状は「Webサイトが出てきたときに似ている」
塚本氏はソーシャルメディアをめぐる現在の状況が「90年代に企業のWebサイトが世に出てきたときに似ている」と分析。今でこそ企業サイトは顧客との接点として重要視されているが、同様に数年後にはソーシャルメディアでの対話も重要になっていくのではないか、と語る。
「Twitterで企業のサービスについて言及される比率は年々上がってきています。1年半ほど前の調査では20%程度だったのが、最近の調査では35%にまで上がっています。企業にとって重要なことが高い比率で言われるようになっていますから、まずはお客様の声を聞き、発信していくことが必要なのではないでしょうか。それがどんどん進んでいけば、『売上にどれくらいつながったのか』と分析するニーズも出てくることでしょう。そんな風に進化しようとしているまさに入り口にいる市場を、お客様と一緒に作っていきたいと思っています」
今回は、NTTコミュニケーションズの協力の元、ソーシャル活用を社内で提案することを想定した企画書テンプレをパワーポイント形式で用意しました。興味のある方はこちらへ。
