広告配信の統合プラットフォームDSPの概要
前回紹介したとおり、アドエクスチェンジとRTBによってディスプレイ広告の配信における効率と効果は大きく進化している。これらの仕組みを操作する、広告配信の統合プラットフォームがDSP(Demand-Side Platform)である。
今回は、既に稼動しているDSPである当社の「MicroAd BLADE」を使って説明していこう。
かっこいいけど、なんか難しそう…、どうやって使う?
配信と運用はあっけないほど簡単。
まず、配信開始に先駆け、広告主のサイトに“どのようなユーザーが来訪しているのか”を計測するためのタグを設置する。次に、配信したいバナー素材を入稿。最適な配信設定を選択し、広告配信の成果目標などの数値を入力すると、自動的に最適化配信が始まる。
広告の設定から、配信開始までの所要時間だけで言うと30分程度しかかからない。
また、配信結果のレポートも管理画面からリアルタイムで閲覧可能だ。クリック率やコンバージョン率はもちろん、訴求と配信対象の異なる複数配信を同時に行い、効果比較を行うこともできる。
このように配信からレポーティングまでの作業負荷は非常に低く、担当者は本来の広告マーケティングに専念できるのである。
なお、MicroAd BLADEにおいては、プラットフォームの開設費や基本料は発生しない。配信ごとに配信予算の中から広告費用とDSP利用料が発生する仕組みなので、広告主にとっては配信量に応じた従量課金となる。最初から大きな予算を設定する必要もないため、機動的に広告予算を投入し、効果検証することも可能だ。
DSPの性格を分けるターゲティング方法の種類
利用するDSPによって、ターゲティングの方法は異なる。例えばMicroAd BLADEでは、次のような配信方法が選択可能だ。
オーディエンスターゲティング配信(オーディエンスの属性を指定して配信)
※オーディエンスターゲティングについては下記参照
リターゲティング配信(広告主サイトに訪れたことのあるオーディエンスに再配信)
いずれの配信も、目標値を設定しておくことで自動的に最適化が行われる。複数の広告キャンペーンに それぞれ別のターゲティング方法を設定することも可能だ。
DSPを使う最大のメリットと、押さえておくべきポイント
DSPを利用する最大のメリットは、“効率的にディスプレイ広告を運用できる”という点に尽きる。1配信ごとに、広告主にとって最適な広告を自動配信できるので、配信や効果改善の手間は大幅に圧縮される。
ただし、全てが自動化されているわけではない。
目標とする広告効果を達成するための要素はいくつかあるが、例えば、広告配信にあたってのプランニングは非常に重要となる。
- 数あるオーディエンスの中でも広告配信対象をどのように選定するのか
- 広告主のサイトのどのページから離脱したオーディエンスを対象に広告を配信するのか
- どのようなクリエイティブで広告を配信するのか etc...
こうした自動化できない広告知見や、マーケティングデータを使用した対象検証などの差異で、広告効果は大きく変わる。
DSPにおいて、従来、ディスプレイ広告のメニュー選定や検証などに割かれていた時間を、本来のプランニングやマーケティングの設計などに充当できるので、全体的な効率は上がるだろう。
ついに始まったDSPの将来像
DSPによる広告配信の進化は、これまでのディスプレイ広告における難点や課題を解決し、「広告を最適な人に、適正な価格で効率よく配信する」ためのエッセンシャルな技術であると言える。
既に、「MicroAd BLADE」はリリースから2ヶ月で350を超えるアカウント開設があった。日本では2011年からDSPの本格的な普及が始まったばかりで、DSPの真価は今後明らかになると思われるが、これはディスプレイ広告の進化に対する期待の現れであると考えられる。
次回は、実際の配信内容と事例をもとに、ディスプレイ広告の配信がどのように変化しているかを紹介していこう。