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マーケター向けアクティブサポート概論

アクティブサポート、1件あたりかかる時間は数分
「離反顧客を引き止め」効果に見合うか、コスト試算しよう


 『Twitterアクティブサポート入門』著者・河野武さんが、マーケター向けにアクティブサポートについて解説します。

アクティブサポート開始にあたり、マーケターがやるべき仕事

 アクティブサポートに取り組む場合、コールセンターを巻き込むことは必須です。むしろ、ソフトバンクモバイルなどの先駆企業のように、コールセンター内にチームを設置することが理想的です。

 では、コールセンターに任せておけば、マーケターは何もしなくていいのでしょうか。そんなことはありません。マーケターの仕事はたくさんあります。

 まず、やり取りによって得られた顧客の生の声を改善に活かすために社内を動かしていかなければなりません。サイトが使いづらい、プロモーションの案内がわかりにくいといった内容なら自分たちで解決できるかもしれませんが、ときにはシステムや開発といった部署との調整が必要になることもあるでしょう。経営陣への報告が必要になるかもしれません。そうした会社全体を巻き込んだ改善サイクルの中心となって行動できるのが望ましいですね(裏を返せば、そこまでコールセンターに丸投げするべきではありません)。

 また個々のやり取りにおいて、どのようなスタンスで案内するのか、いわゆるトンマナ(トーン&マナー)についてはブランドイメージと密接に関わってくるため、広報も交えてしっかり定めておくべきです。スタッフごとの多少の個性は認めてもいいのですが、属人的にならないようにバランスを取る必要があります。さらに製品開発の裏話や、サービス名の由来など、担当者が知っておくと便利なトリビアもどんどん共有してあげましょう。そうした情報が顧客との直接のやりとりを通じて伝わることでブランドが構築されていくのですから。

 ぼくは「言い出しっぺの法則」が大嫌いです。「やるべき」と気づいた人が、必ずしもいちばんうまくやれるとはかぎらないからです。またそのような前提では自分にやれそうにないことは誰も提案しなくなります。そうではなくて、やるべきことがはっきりしたなら、いちばんうまくやれる人に任せるようにすべきです。

 アクティブサポートをやるべきだとは、コールセンターで働く人はなかなかいいません。MarkeZineを読んでる人も少ないでしょうし、とくに社内でコストセンターとして扱われ、コスト削減を日々求められている彼らにしてみれば、自分たちの仕事を増やす提案(それは常識的に考えればコストが増える話なので)をいいだすことは考えにくいです。

 だからこそ、代わりにマーケターの皆さんが提案してほしいのです。予算をかける必要性を訴え、コールセンターで運用することがもっとも望ましいことも主張し、アクティブサポートの実施に向けて社内を調整しましょう。これはマーケターのみなさんにしか果たしえない役割です。ぜひ会社を動かしてください。(次ページへ続く)

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この記事の著者

河野 武(コウノ タケシ)

1974年7月3日生まれ。立命館大学経済学部卒。コミュニケーション・デザイナー。マーケター。企画屋。
1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知ら...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/09/11 17:53 https://markezine.jp/article/detail/14418

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